24日、チャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)・ファーストレグの全日程が終了した。


 8試合すべてでゴールが決まるなど、各地で熱戦が繰り広げられた一方で、8試合中7試合はアウェイチームが勝利。これはCL史上初の出来事だという。無観客、あるいは中立地での開催が試合結果に与えた影響は否めない。


 では、ファーストレグの結果が次ラウンドへの勝ち上がりにどの程度影響するのか。欧州サッカー連盟(UEFA)の公式サイト『uefa.com』)やサッカーのデータ専門家として知られる「ミスター・チップ」ことアレクシス・マルティン・タマヨ氏の情報をもとに、各チームの次ラウンド進出の可能性を紹介する。


 なお、同大会で2戦合計のスコアが同点だった場合にアウェイゴールが2倍となる現行ルールが採用されたのは1967−68シーズンからのこと。それ以前は、2試合を終えて同点だった場合、中立地で再試合が行われていた。


[写真]=Getty Images


◆■バルセロナ 1−4 パリ・サンジェルマン


 ファーストレグは、パリ・サンジェルマンが敵地で4ゴールを奪って勝利。バルセロナにとっては、ロナルド・クーマン監督が「突破のチャンスはほぼない」と認めるほどの完敗だった。CLの歴史上、ホームでのファーストレグで3点差以上の敗戦を喫したチームが逆転したケースはゼロ。かなり厳しい状況に追い込まれている。ただし、2016−17シーズンのラウンド16でパリ・サンジェルマンと対戦した際には、敵地で0−4の敗戦を喫したあと、ホームで6−1の勝利を奪って、CL史上初の逆転劇を成し遂げている。奇跡の再現はなるだろうか。


◆■ライプツィヒ 0−2 リヴァプール


 不振が続くリヴァプールは苦戦が予想されたが、相手のミスを逃さずに2−0の完封勝利。かなり有利な状況でホームでのセカンドレグを迎えることとなった。過去のデータを紐解くと、リヴァプールの突破の可能性は限りなく100%に近い。ヨーロピアンカップ時代を含めて、ファーストレグでアウェイチームが2−0と先勝したケースは107回あるが、セカンドレグで逆転を許したチームは1つだけ。それが、2018−19シーズンのラウンド16でマンチェスター・Uに逆転突破を許したパリ・サンジェルマンだという。リヴァプールが同じ轍を踏むとは考えにくいが、ライプツィヒにも可能性は残っている。


◆■ポルト 2−1 ユヴェントス


 この試合も“ミス”が勝敗を分けた。ユヴェントスはロドリゴ・ベンタンクールのバックパスから先制を許すと、後半立ち上がりにも失点。その後、貴重なアウェイゴールを手にしたとはいえ、1−2とビハインドを負った状態でセカンドレグに臨む。欧州カップ戦の決勝ラウンドで、ユヴェントスがファーストレグを「1−2」で落としたのは過去6回。そのうち4回で逆転突破を果たしている。だが、直近の2回はスコアをひっくり返せず、敗退を余儀なくされた。2004−05シーズンはCL準々決勝で対戦したリヴァプールに、そして2013−14シーズンはEL準決勝で対戦したベンフィカに逆転ならず、大会から姿を消している。


◆■セビージャ 2−3 ドルトムント


 公式戦9連勝で迎えたCLの決勝トーナメントだったが、セビージャはアーリング・ハーランドに2得点を許すなどして、2−3で敗戦。ホームで痛恨の黒星を喫した。セビージャは過去の欧州カップ戦で、ホームでのファーストレグを落としたケースが3度あったが、その後のセカンドレグで必ず引き分け以上の成績を収めているという(2勝1分け)。ただし、アウェイゴールルールが採用されてから、CL(ヨーロピアンカップ時代を含む)で「2−3」のスコアをひっくり返したチームは存在しないそうだ。彼らは難しいミッションに挑むことになる。


◆■アトレティコ・マドリード 0−1 チェルシー


 6バックの奇策を駆使したものの、アトレティコはホームでチェルシーに敗戦。ディエゴ・シメオネ監督の就任後、CL決勝トーナメントのホームゲームで初めての黒星となった。欧州カップ戦で、アトレティコがホームでのファーストレグを落としたケースは過去7回あるが、セカンドレグで逆転に成功したことは1度もないという。対するチェルシーは、欧州カップ戦でアウェイでのファーストレグに勝利した過去12回、すべて次ラウンド進出を果たしている。このデータどおりならば、チェルシーのベスト8進出は確実と言えるが、アトレティコの逆転劇はあるだろうか。


◆■ラツィオ 1−4 バイエルン


 バイエルンが現欧州王者(世界王者)の貫禄を見せつけた試合だった。ラツィオを率いるシモーネ・インザーギ監督も「選手たちは委縮してしまった」と試合後に語っている。バルセロナとパリ・サンジェルマンの試合で紹介したとおり、敵地で「4−1」の勝利を収めたチームが逆転で敗退した例は一度もない。またバイエルンは、CLでイタリア勢相手に9試合負けなし(7勝2分け)と相性も抜群だ。ラツィオは王者を相手に一泡吹かせることができるだろうか。


◆■ボルシアMG 0−2 マンチェスター・C


 連勝街道を突き進むマンチェスター・Cが公式戦19連勝を達成。この試合でもクリーンシートを成し遂げ、CLでの連続無失点時間を「616分」に伸ばしている。ジョゼップ・グアルディオラ監督は試合後、「この大会で次へと進んでいくためには完璧にならない

といけない」と気を引き締めたが、少なくともベスト8進出は確実だろう。マンチェスター・Cがアウェイでのファーストレグに勝利した場合、CLでは必ず次ラウンドへ進んでいるからだ。最後の最後まで勝負は分からないとはいえ、ボルシアMGは非常に厳しい状況に追い込まれた。


◆■アタランタ 0−1 レアル・マドリード


好調アタランタと、ケガで9選手を欠いたレアル・マドリードの対戦は、後者に軍配。フェルラン・メンディが86分に決勝点を叩き込み、敵地で貴重な勝利を挙げた。レアルにとっては、間違いなく大きな勝利だろう。だが、油断は禁物だ。2018−19シーズンは、CLラウンド16でアヤックスと対戦。敵地でのファーストレグを2−1で制したものの、ホームでのセカンドレグは1−4で敗れて、大会4連覇の夢が潰えた。今回の試合前には、アタランタを当時のアヤックスと比較する声も上がった。アヤックスと同じよう

にホームでのファーストレグを落とすところまでは想像していなかったはずだが、レアルを相手に逆転したチームが存在するのは心強いだろう。90分を終えて、その差はわずか1ゴール。勝負の行方はまだ分からない。


(記事/Footmedia)