プレミアリーグのブラジル代表FWトリオが移籍市場を賑わせている。2018年からエヴァートンでプレーをしていたリチャーリソンは、7月1日にトッテナムへの完全移籍が発表された。アーセナルはマンチェスター・Cのガブリエウ・ジェズスの獲得が間近だと伝えられている。2021−22シーズンはリーズでクラブ最多の11得点を決めたハフィーニャにはチェルシーとバルセロナを含めた複数クラブが獲得に名乗りを上げている。


 先月6日に国立競技場で行われた日本との親善試合にも出場している3選手はいずれも現在25歳。既にプレミアリーグで十分な実績を残している彼らに、ビッグクラブが即戦力として注目するのは自然な流れだろう。


 過去にも多くのブラジル人選手が活躍してきたプレミアリーグ。今回は同リーグで通算20ゴール以上を決めた全8選手を紹介する。


[写真]=Getty Images


◆■ロベルト・フィルミーノ=71ゴール


 褒め上手なリヴァプールのユルゲン・クロップ監督が、中でも賛辞を惜しまないのが同クラブのブラジル代表FWロベルト・フィルミーノだ。9番を背負うセンターフォワードというポジションながら、献身的なチームプレーが特徴的なフィルミーノ。クロップ監督は“最高のオフェンシブ・ディフェンダー”という表現で絶賛したことも。モハメド・サラーの3度に渡るプレミアリーグ得点王のタイトルも、フィルミーノの存在が無ければ成し得なかっただろう。


 2015年にドイツのホッフェンハイムからリヴァプールに加入し、プレミアリーグでは231試合に出場して71得点46アシスト。最初の6シーズンはコンスタントに10ゴール前後を決めていたが、2021−22シーズンはコンディションの影響もあり20試合で5得点という結果に終わった。サディオ・マネと南野拓実が移籍したリヴァプールは、新たに攻撃的な選手ではダルウィン・ヌニェスとファビオ・カルヴァーリョを加えている。現在の契約は2023年夏までとなっている30歳のフィルミーノ。ユヴェントスへの移籍の可能性が報じられているが、この夏は最終的にどのような決断を下すのだろうか。


◆■ガブリエウ・ジェズス=58ゴール


 マンチェスター・C史上初めて、初スタメンとなったプレミアリーグの試合で、「得点とアシスト」を記録したのがガブリエウ・ジェズスだ。2017年1月にパルメイラスからマンチェスター・Cに合流したジェズス。当時19歳ながら既にブラジル代表で定位置を獲得していたFWは、翌月1日のウェストハム戦で1得点1アシストを記録して勝利に貢献。4日後のスウォンジー戦でも2ゴールをマーク。お馴染みとなった“電話セレブレーション”を披露し、ファンの心をしっかりとつかんだ。


 練習の虫であり、加入当初から積極的に英語を学ぶ姿勢も高く評価されていたジェズス。アーセナルのメディカルチェックを既に終えたと伝えられており、アルゼンチン代表FWフリアン・アルバレスとノルウェー代表FWアーリング・ハーランドを獲得済みのマンチェスター・Cを離れることは間違いないだろう。マンチェスター・Cでの5シーズン半でプレミアリーグ159試合に出場して58得点29アシストを記録しているが、新天地でスタメン出場の機会が増えれば、この数字は飛躍的に伸びるはずだ。


◆■リチャーリソン=48ゴール


 1部リーグ残留を置き土産にリチャーリソンはエヴァートンに別れを告げ、トッテナムでの挑戦を選んだ。2017年にブラジルのフルミネンセからワトフォードに加入し、翌年にエヴァートンに移籍したリチャーリソン。プレミアリーグ創設以降、一度も降格せずに戦い続けてきた名門エヴァートンだが、2021−22シーズンは終盤まで残留争いに巻き込まれる苦しい一年に。そんな中でリチャーリソンは、リーグ戦でチーム最多となる10ゴールを記録。残留を確定させた最終節直前のクリスタル・パレス戦では2点ビハインドの展開から同点に追いつくゴールを決めてチームを救った。


 プレミアリーグで通算173試合に出場し、48得点を決めているリチャーリソン。アーセナルやチェルシーも獲得を望んでいると伝えられていたが、1日にトッテナムが完全移籍で迎えたことを発表。契約期間は5年で、移籍金は6000万ポンド(約98億円)程度だと伝えられている。


◆■フィリペ・コウチーニョ=46ゴール


 6月で30歳となったフィリペ・コウチーニョはこの先、プレミアリーグでのゴール数をどこまで伸ばすことができるだろうか。2013年1月にインテルからリヴァプールに加入したコウチーニョ。すぐにプレミアリーグの水に馴染み、2017年にモハメド・サラーが加入してからはフィルミーノ、マネと4人で“ファブ・フォー”としてサポーターから愛された。タイトルは取れなかったが、2014−15、2015−16シーズンはファン及び選手選出の年間最優秀選手賞と、ゴール・オブ・ザ・シーズンを総なめに。リヴァプールでプレミアリーグ152試合に出場し、41得点を記録した。


 2018年1月に惜しまれつつもバルセロナへ移籍したコウチーニョだったが、ここからキャリアは下降の一途をたどることに。スペインではリヴァプール時代の華麗なプレーを発揮できずにいたコウチーニョ。2019−20シーズンはバイエルンにローン移籍するも“復活”ならず。今年1月にリヴァプール時代のチームメイト、スティーヴン・ジェラード氏が率いるアストン・ヴィラにローンで加入。この夏に完全移籍を果たしている。


◆■ウィリアン=38ゴール


 チェルシーで過ごした7年間はウィリアンにとって、キャリアで最も輝かしい時代だろう。2013年夏にロシアのアンジ・マハチカラからチェルシーに加入し、2年目にリーグ制覇とリーグ杯の二冠を達成。3年目にはクラブの年間最優秀選手に選ばれる活躍を見せた。2017−18シーズンにはアウェイのブライトン戦で決めたゴールがクラブのゴール・オブ・ザ・シーズンを受賞し、チームメイトから年間MVPに選出されたウィリアン。


 チェルシーとの契約が満了を迎えた2020年夏、クラブとの新契約交渉がまとまらずに、アーセナルへの移籍を選択。しかしミケル・アルテタ監督の下でレギュラーポジションを掴み切れなかったウインガーは1年でエミレーツを離れ、昨年の夏に古巣のコリンチャンスに復帰している。


◆■ジュニーニョ・パウリスタ=29ゴール


 ミドルスブラとは相思相愛だった。1995年にプレミアリーグに昇格したミドルスブラは、同年10月にサンパウロからブラジル代表デビューを飾ってから間もないジュニーニョ・パウリスタを獲得。元ブラジル代表MFは、デビュー戦となった11月のリーズ戦でいきなりアシストを記録した。1996−97シーズンのミドルスブラはFAカップとリーグ・カップで決勝まで進むも、リーグでは19位に終わり2部降格が決定。そんな中でプレミアリーグの年間最優秀選手に選ばれたジュニーニョは、アトレティコ・マドリードへの移籍を決断した。


 しかし1999−00はローンの形でミドルスブラに復帰。2002年のワールドカップで優勝を果たした後、今度は完全移籍でアトレティコ・マドリードからミドルスブラに戻って来た。計3度の在籍期間でプレミアリーグ125試合に出場し、29ゴール18アシストという数字を残したジュニーニョ。記録以上に記憶に残る選手としてサポーターから愛された。


◆■オスカル=21ゴール


 2017年1月。中国スーパーリーグの上海上港に当時アジア史上最高額となる6000万ユーロ(当時約74億円)で移籍するまでの4年半、チェルシーに所属していた元ブラジル代表MF。2012年夏にブラジルのインテルナシオナウからチェルシーに加入し、初スタメンとなったCLユヴェントス戦ではいきなり2ゴールを決めて強烈な印象を残した。


 ジョゼ・モウリーニョ氏からは10番のポジションを託され、輝きを発揮したオスカル。しかし2016年にアントニオ・コンテ氏の監督就任後は、インサイドハーフを任されるように。シーズン序盤の「4−3−3」から「3−4−3」へのシステム変更以降、出場機会を減らしたオスカルは、シーズン途中に中国への移籍を決断。現在も上海でプレーを続けている。


◆■フェルナンジーニョ=20ゴール


 マンチェスター・Cのレジェンドとなったフェルナンジーニョは、今年6月に古巣アトレチコ・パラナエンセに復帰することを発表した。2013年にシャフタール・ドネツクからマンチェスター・Cに加入した元ブラジル代表MF。在籍した9年間で5度のプレミア制覇を含め、12個の主要タイトル獲得に貢献。時にセンターバックもこなす守備的ミッドフィールダーというポジションのため、得点が求められた選手ではなかったが、毎シーズン、継続して数ゴールずつを積み重ねた結果、20ゴールの節目に到達した。


 2017年10月のストーク戦で決めた長距離弾が、2017−18シーズンのクラブのゴール・オブ・ザ・シーズンに輝いたフェルナンジーニョ。長年の功績を称えて、クラブはその時のゴールセレブレーションをイメージしたモザイク画を作成。フェルナンジーニョにとってマンチェスターで最後の試合となった、2021−22シーズンの最終節アストン・ヴィラ戦の前にお披露目された。


(記事/Footmedia)