“即戦力助っ人外国籍選手”としては、当たり前の起用なのかもしれないが、それにしてもタフな使い方である。7月18日に期限付き移籍での獲得が発表され、その日に来日した新外国人ガブリエル・シャビエルは、早速週末の京都サンガF.C.戦での試合出場が濃厚となっている。しかも、スタメンでだ。日本に到着した瞬間、「ああ、日本に来たんだな」という喜びに震えた170cmの小柄なドリブラーは、いきなりその力を試されようとしている。


 来日当日の18日にはメディカルチェック、正式契約、記者会見と慌ただしく過ごし、フォトセッションでは「これぐらいでいい? さすがに疲れちゃって」とこぼした男だが、翌日にはしっかりと全体練習に参加。時差ボケもかなり残っている中で、紅白戦の途中まで参加するなど精力的にプレーした。そして試合2日前の木曜日には「昨日はまだ時差ボケもあったけど、今日は昨日よりも良くなっているよ」と笑顔で話し、大粒の汗をぬぐった。日ごとにアジャストしてくる背番号44には風間八宏監督も「24歳になったばかりの若手だけどしっかりしている。プロフェッショナルです」と高評価。評価はプレー面でも同様で、水曜日の紅白戦で主力組に入ったシャビエルだったが、それは木曜の非公開練習でも変わらなかったようだ。ひとまずテストされているのは4−3−3のインサイドハーフ。守備への積極性も十分に見せ、来日即スタメンの重責にも何ら恐れるところはない。


 ブラジル時代の動画などを見るとトリッキーなドリブルと俊足を武器とするアタッカーに見えていたが、どうやら彼の特長はそれだけではないようだ。下條佳明GMはシャビエルの武器として高精度の左足を挙げ、「ウチは狭いところに集めるのは得意だから、そこからの展開にも期待しています」と語る。青木亮太も「最初の練習で『出てくるかな?』と思って動いたら、アウトサイドで柔らかいパスが出てきたので、今は動けば出てくる気がしています」と証言しており、オールマイティーなアタッカーとしての才能こそが新助っ人の持ち味なのかもしれない。


 もちろん、前評判の高いドリブルスキルもこれから徐々に発揮されていくに違いない。青木は「ザ・ブラジル人って感じのボールタッチですね」とその技術を表現する。プロサッカー選手になる前の7年間はフットサルを並行してプレーしていたといい、「サッカーのアイドルはジダン。フットサルのアイドルはもちろんファルカンだよ!」と言うから相当のテクニックマニアだ。そういう目でもう一度彼を眺めると、風貌も体格もフットサル界のスーパースター、リカルジーニョ(ポルトガル代表)っぽく見えてくる。フットサルでの経験は既に活かせているとのことで、「確かに日本のサッカーはブラジルに比べて速い。でも僕はフットサルをやっていたから、判断を速くするのは経験済で、そこもマッチするところだね」と不敵に笑う。


 しかしシャビエルが実際、どのように起用されるかは当日のお楽しみ。我々を驚かせてくれるのはドリブルか、パスか、それともシュートか。とにかく、誰もがそのファーストインパクトにこの上ない期待感を抱いている。


文=今井雄一朗