J2リーグ第25節のV・ファーレン長崎戦で背番号6がプライドを覗かせた。


 前半戦の対戦で長崎にはファンマを起点とした力強い攻撃に屈して3失点して敗れ、長澤徹監督が「どれくらい成長できているかを本当にぶつけることができるゲーム」と位置付けた一戦は、竹田忠嗣にとっても自分の力を証明する格好の試合だった。


 竹田は今季、難しいシーズンを過ごしてきた。開幕からベンチスタートが続き、第9節・モンテディオ山形戦で途中出場すると膝を負傷した。ただ、「ケガしたことも意味があると思ってやってきて、もう一回戦う気持ちをしっかりと作って戻ってきた」。そして、リハビリを終えるとすぐにディフェンスリーダーとしてチームを引っ張ってきた篠原弘次郎が負傷離脱して出場機会が訪れ、3カ月ぶりに先発した第24節・レノファ山口FC戦は勝利に貢献したが、アディショナルタイムに失点して「すごく気持ち悪くてモヤモヤした」という竹田は、長崎戦に臨むにあたって自分自身にプレッシャーをかけ奮い立たせていた。


「長崎がファンマのチームってことは試合前からメディアの方にも言われていたし、スカウティングにもあったし、システムが[3-4-3]同士だったんで俺がファンマとマッチアップすることが多くなる。そこでやるかやられないかだと思ったし、もう純粋に俺の評価に直結する試合だと思って試合に臨みましたね。正直いろいろ悪いことも想定して臨みましたけど、結果的には点も取られなかったしファンマもけっこうイライラしていた。うまくできたかなと思います」。試合翌日、竹田はニヤリと笑った。


「ただ俺一人の対応がどうとかってよりも、セカンドボールの反応の速さで長崎を勝っていたから。中盤の選手は頼もしかったですね」と続け、セットプレーから挙げた今季初得点も「コーチングスタッフのスカウティングの成果。チームとしていろいろ準備していて、あそこに来たら俺が流し込むっていう役割だっただけ」と冷静に振り返った。今回ばかりは手柄を独り占めにしてもいいのに、そうしないところが竹田らしい。ただ、ピッチ上では雄弁だった。長崎戦は「俺もいるんだぞ!」と竹田が声高らかに語ったような試合だと感じたのは筆者だけではないだろう。


 もっとも、竹田が自分の価値を示していく戦いは続く。5日に行われる第26節は京都サンガF.C.戦だ。田中マルクス闘莉王とケヴィン・オリスのツインタワーとの対峙を控え、竹田は好意気込みを語った。


「俺みたいな選手は得点を取ってたり名前のある選手を抑えることで評価される。自分が目立つような派手なプレーをするタイプじゃないから、そういう選手に仕事をさせないってことが評価になるし、ボールが入ってキープされてもゴールのところまで行かせなければいい。そういう対応ができるように90分間、正しいポジションを取っていくこと追求してやりたいと思います」。


 はたして竹田はどんなプレーを見せてくれるだろうか。今度の相手はいろんな意味でかなり高いぞ。


文=寺田弘幸