10月28日に行われたブンデスリーガ第10節のシャルケヴォルフスブルク戦がドイツ国内で話題を集めている。ドイツ紙『ビルト』の日曜版によれば、同試合でビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の不自然な介入があり、結果が”操作”されたのではないかという疑惑が浮上しているのだ。


 問題とされたのは、42分にシャルケがPKを獲得した場面。ピッチ上にいた主審はファウルを取らずにプレーを流したが、直後にシグナルが送られた。しかし、このシグナルは通常のVAR担当者ではなく、判定を管理するはずのヘルムート・クルーク氏による直接介入だったと『ビルト』は伝えている。さらに不自然なのは、該当の場面を確認しようとした主審は映像の視聴をしなかったということだ。


 そして85分には、シャルケのゴール前でU−21ドイツ代表DFティロ・ケーラーのハンドが見逃された。試合後、同選手が「PKを与えても良い場面だった」と認めるような“明らかなハンド”であり、VARの介入がなかったことが不自然だと指摘されている。シャルケのマネージャーを務めるクリスティアン・ハイデル氏も「残念ながら、あれは明らかなPKだったと認めないといけない。でも、他の試合では我々にとっても不利になる判定があった。それも言っておかなければならないね」と話している。


 イタリアなどの他国では、スタジアムの駐車場にビデオ設備が整えられた大型車の中でビデオ判定が行われる。だがドイツでは、ケルンにビデオ判定用の設備を備え、全試合を統括している。同システムの導入を主導したのが、VARの統括であるクルーク氏なのだ。最終決定権をピッチ上の主審ではなくVARが握るように設計し、連盟内におけるVAR部門の影響力を大きくしようとしていたのではないか、というインサイダーの話も報じられている。


 ゲルゼンキルヒェン出身のクルーク氏が(地元である)シャルケに優位になるように働きかけた、というのはあまりにも出来過ぎなストーリーであり、勘ぐり過ぎと言えるだろう。だが、混乱の背景が不透明なことが、疑惑浮上の一因になっていることは事実だ。現場の監督たちや各クラブの責任者たちからも「使用の基準が分からない」と不満が出ている。


 国際Aマッチウイーク突入により、ブンデスリーガは中断期間に入った。再開までの2週間で、ドイツサッカー連盟による明確な改善が求められている。