【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した暗黒星雲「CB 130-3」(Credit: ESA/Hubble, NASA & STScI, C. Britt, T. Huard, A. Pagan)】

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した暗黒星雲「CB 130-3」(Credit: ESA/Hubble, NASA & STScI, C. Britt, T. Huard, A. Pagan)】

こちらは「へび座」の方向にある暗黒星雲「CB 130-3」です。CB 130-3はガスや塵が集まっている低温の分子雲のなかでも特に高密度な部分である分子雲コアとして知られています。オレンジの分子雲コアを背景の青白い雲や輝く星々が取り囲む様子からは幻想的な印象を受けます。

分子雲コアでは高密度のガスや塵が自らの重力で収縮し、星の赤ちゃんと言える原始星が誕生すると考えられています。やがて成長した原始星の中心では水素の核融合反応が起こるようになり、恒星としての生涯が始まります。画像を公開した欧州宇宙機関(ESA)によると、CB 130-3の奥深くにも恒星に成長しつつある小さな星が潜んでいるといいます。

背景の星々は密度が低い周辺部分では雲を透かして見えていますが、物質が高い密度で集まっている部分へ向かうにつれて隠されていき、濃い赤に見えるCB 130-3の中央付近ではすっかり見えなくなっています。ESAによれば、分子雲は星を暗く見せるだけでなく色も赤っぽく変化させています。天文学者はこの色の変化を利用して分子雲の密度を分析し、分子雲の内部構造に関する知見を得ることができるといいます。

冒頭の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」を使って取得された画像(814nm、1.25μm、1.6μmのフィルターを使用)をもとに作成されたもので、ハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚としてESAから2022年11月14日付で公開されています。

 

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Image Credit: ESA/Hubble, NASA & STScI, C. Britt, T. Huard, A. Pagan ESA/Hubble - Clouded Vision

文/松村武宏