国際天文学連合(IAU)は9月24日、恒星間天体の可能性が極めて高いとされてきた「ボリソフ彗星」(C/2019 Q4 (Borisov))について、正式に恒星間天体と認定し、新たに「2I/Borisov」と命名したことを発表しました。

ハワイの「ジェミニ北望遠鏡」が撮影した「2I/Borisov」

■「I」は「interstellar(恒星間)」の略

2019年8月30日にロシア(クリミア)のGennady Borisov氏が新しい彗星を発見。彗星の命名ルールに従って「C/2019 Q4 (Borisov)」の仮符号が付与されたものの、追跡観測の結果からは太陽系由来とは考えにくい軌道(※)が判明したため、早い段階から「太陽系外から飛来した恒星間天体なのではないか?」と考えられてきました。

今回、天体の命名に関する権限を持つIAUが認めたことで、ボリソフ彗星は正式に恒星間天体に分類されることになりました。新名称「2I/Borisov」のうち、2文字目の「I」は「interstellar(恒星間)」の頭文字。「2I」の2文字で「恒星間天体であることが判明した2番目の天体」という意味を持ちます。

また、2I/Borisovはもともと彗星として見つかったため、伝統に則って発見者であるボリソフ氏の名が冠されてきました。今回、IAUはこの伝統に従うことを決めたため、恒星間天体としての名称にも「Borisov(ボリソフ)」が引き継がれています。

なお、IAUの発表によると、ボリソフ彗星の太陽最接近は2019年12月7日とみられており、最接近時の太陽からの距離と地球からの距離は、どちらも同じ2天文単位(1天文単位は地球から太陽までの距離に由来)とされています。火星の公転軌道よりも遠く、小惑星帯の内縁あたりを通過していくことになるようです。

(※…ジェット推進研究所によると離心率が約3.36の双曲線軌道)

■仮符号は「いつ頃見つかったのか」をもとに付けられる

ちなみに、ボリソフ彗星に当初割り当てられた仮符号C/2019 Q4も、明確なルールに従って命名されています。

1文字目の「C」は、「comet(彗星)」の頭文字。スラッシュをはさんだ「2019」は彗星が発見された年、スペースを空けて続く「Q」は「8月後半」、「4」は「4番目」を示します。どうして「Q」が8月後半という意味になるのかというと、1月前半は「A」、後半は「B」、2月前半は「C」……といったように、12月後半まで半月ごとにAからYまでのアルファベットが割りてられているためです(IとZを除く)。

つまり、C/2019 Q4は「2019年8月後半の4番目に見つかった彗星」という意味を持ちます。仮の名前を付けるために定められたシステムですが、アルファベットがどの月に割り当てられているのかさえ覚えてしまえば、仮符号を見ただけでいつ頃見つかった彗星なのかがパッとわかる仕組みになっています。

 

Image: Gemini Observatory/NSF/AURA
Source: IAU
文/松村武宏