人類が発見した2つ目の恒星間天体「ボリソフ彗星(2I/Borisov)」。今年12月の太陽最接近に向けて観測が進められていますが、いよいよ「ハッブル」宇宙望遠鏡によってその姿が撮影されました。10月16日付で公開されています。

■太陽系の彗星のように活動的なその姿をキャッチ

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した「ボリソフ彗星(2I/Borisov)」(Credit: NASA, ESA, D. Jewitt (UCLA))

画像が撮影されたのは10月12日のこと。ボリソフ彗星までの距離は、地球からおよそ4億2000万km(地球から太陽までの距離のおよそ2.8倍)離れています。固体の氷でできた核の周囲に、噴出した塵が集中している様子が捉えられています。

2017年10月に発見された恒星間天体「オウムアムア(1I/2017 U1)」は、見つかった時点ですでに太陽から遠ざかりつつあったため、観測できた期間は数週間程度しかありませんでした。

いっぽう、ボリソフ彗星が太陽に最接近するのは、今年の12月7日と算出されています。これから太陽(そして地球に)近付くという幸運なタイミングで見つかったため、ハッブルをはじめとしたさまざまな手段で観測する時間的な余裕がかなり残されています。

■猛スピードで移動する様子を動画で再現

また、今回は静止画だけでなく、ボリソフ彗星が星々をバックに移動していく様子を早回しで示した上記の動画も公開されています。

現在、ボリソフ彗星は時速15万km(秒速およそ42km)で太陽系内を移動しています。太陽からの距離が現在のボリソフ彗星とほぼ同じ、小惑星帯にある準惑星「ケレス」の移動速度(平均軌道速度)が秒速およそ18kmですから、その2倍以上という速さ。国際宇宙ステーション(ISS)の飛行速度(秒速およそ7.7km)と比べると、ほぼ5.5倍という猛スピードです。

活発に物質を放出するボリソフ彗星は、その光を波長ごとに詳しく調べることで、どのような物質で構成されているのか、その物質がどれくらいの比率で存在するのかなどを知ることができます。塵やガスの目立った放出が確認できなかったオウムアムアとは違い、恒星間天体が何でできているのか、太陽系の天体とはどれくらい違うのかを詳しく知るチャンスなのです。

なお、ハッブル宇宙望遠鏡によるボリソフ彗星の観測は来年2020年1月まで予定されていますが、さらなる観測が研究者によって提案されているとのことです。

 

Image Credit: NASA, ESA, D. Jewitt (UCLA)
https://www.spacetelescope.org/news/heic1918/
文/松村武宏