クレーンに吊り上げられるSLSのコア・ステージ(Credit: NASA/SSC)

2024年の有人月面探査再開を目指すNASAのアルテミス計画では、地球から月へと宇宙飛行士を運ぶ新型宇宙船「オリオン」の無人テストミッション「アルテミス1」が今年中に実施される予定です。そのアルテミス1で使用される打ち上げロケット「SLS」(スペース・ローンチ・システム)のコア・ステージが、組立工場から試験設備に向けて移送されました。

■テストスタンドに据え付け完了、数か月かけて試験を実施

SLSのコア・ステージが到着したのは、ミシシッピ州のジョン・C・ステニス宇宙センターにあるB-2テストスタンドです。ここではコア・ステージを構成する4つのエンジン「RS-25」をはじめ、燃料/酸化剤のタンク、誘導制御システムなどが初めて一体となって動作する「グリーン・ラン」と呼ばれる試験が実施されます。

ルイジアナ州のミシュー組立工場を出発したコア・ステージは、1月12日にジョン・C・ステニス宇宙センターに到着。天候が安定するのを待ったのちに、1月21日から22日にかけて、コア・ステージの試験を実施するための改修が施されたテストスタンドへと据え付けられました。

高さ65m、直径8.4mのコア・ステージは、直径こそアポロ計画で使われた「サターンV」ロケットの第1段(S-IC。高さ42m、直径10m)には及ばないものの、高さはNASAが製造したロケットステージとしては最大です。コア・ステージが据え付けられたB-2テストスタンドでは数か月かけて各種試験が行われ、最終的には実際の打ち上げ時と同じ8分間に渡るエンジンの燃焼試験が実施されます。

試験終了後、コア・ステージはフロリダ州のケネディ宇宙センターへと移送され、オリオン宇宙船や固体燃料ロケットブースターといった各要素との組み立て作業が行われます。グリーン・ラン試験の次にエンジンが点火されるのは、今年中に予定されているアルテミス1ミッションの打ち上げ本番です。

コア・ステージの据え付け作業が進むB-2テストスタンド(Credit: NASA/SSC)

 

Image Credit: NASA/SSC
Source: NASA
文/松村武宏