2019年8月に発見された観測史上2例目となる恒星間天体「ボリソフ彗星(2I/Borisov)」。今回「ハッブル」宇宙望遠鏡の観測データをもとに、そのサイズを算出した研究成果が発表されています。

■10km以上とも予想されていたサイズ、大きくても500mくらい

【▲2019年10月12日にハッブル宇宙望遠鏡が撮影したボリソフ彗星の姿(Credit: NASA, ESA, D. Jewitt (UCLA))】

David Jewitt氏(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)らの研究チームが2020年1月に発表した研究では、2019年10月にハッブル宇宙望遠鏡を使って取得されたボリソフ彗星の観測データが用いられています。

分析の結果、発見当初は10kmを超える可能性も指摘されていたボリソフ彗星の核のサイズは、200〜500mと推定されています。2017年に発見された観測史上初の恒星間天体「オウムアムア(’Oumuamua)」が長さ400mほどと推定されていますから、ボリソフ彗星も同じくらいの大きさだった可能性が高まりました。

ボリソフ彗星の核がこのように小さなサイズであれば、ガスの放出によって自転速度が加速されやすいと研究チームは指摘しています。大幅な加速によって核そのものが分裂する可能性もあるとしており、彗星としての活動を見せているうちは突発的な増光の有無などにも注視する必要がありそうです。

■恒星間天体が地球に衝突する確率にも言及

また研究チームは、ボリソフ彗星やオウムアムアのような恒星間天体が地球に衝突する確率についても言及しています。

論文では、直径100m以上の恒星間天体が衝突する確率を1億〜2億年ごとに1回と算出。これは、太陽系内にある同程度のサイズを持つ小惑星が地球に衝突する確率の1万分の1にあたるとされています。

この確率をもとに、およそ46億年とされる地球の歴史上、100m以上の恒星間天体の衝突は20〜25回発生したと試算。最大で合計およそ60億トンの物質が、恒星間空間から直接地球にもたらされた可能性があるとしています。

 

Image Credit: NASA, ESA, D. Jewitt (UCLA)
Source: アメリカ天文学会
文/松村武宏