国際宇宙ステーションに接近する「こうのとり」9号機と、キャプチャに備えるロボットアーム(Credit: JAXA/NASA)

5月25日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)/三菱重工業の宇宙ステーション補給機「こうのとり(HTV)」9号機が国際宇宙ステーション(ISS)に到着。ロボットアームにキャプチャされた後に、無事ISSへと結合されました。このとき行われた実証実験において撮影された「こうのとり」および日本実験棟「きぼう」からの映像がJAXAから公開されています。

■「こうのとり」と「きぼう」に搭載されたカメラで互いに接近する様子を撮影

公開されたのは「こうのとり」9号機のISS到着時に行われた実証実験「WLD(Wireless LAN Demonstration、ワイルド)」で撮影された映像です。「こうのとり」と「きぼう」に搭載されたカメラで互いを撮影した映像が1本の動画にまとめられていて、左側には「こうのとり」から撮った映像が、右側には「きぼう」から撮った映像が配置されています。

最初は「こうのとり」が小さく、ISSもその全体が見えていますが、接近する「こうのとり」の姿が大きくなるにつれてISSは画面からはみ出していき、「きぼう」が徐々にクローズアップされていく様子が映っています。「こうのとり」が撮影した映像は無線LANを介してISSにリアルタイムで伝送されましたが、JAXAによると、宇宙機(ここでは「こうのとり」とISS)のあいだで無線LANを利用した伝送に成功したのは世界初となるそうです。

現在JAXAでは新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」の開発を進めており、その2号機ではISSとの自動ドッキング実験が行われる予定です。今回行われたWLDは、ISSに接近するHTV-Xの状況をISS船内の宇宙飛行士が把握するための映像伝送システムの技術実証という位置付けでした。今後は「こうのとり」9号機がISSから離脱する際にも同様の実験が行われる予定とされています。

 

Image Credit: JAXA/NASA
Source: JAXA
文/松村武宏