千葉県習志野市内で見つかった隕石の破片(2つの破片を組み合わせた状態)(Credit: 国立科学博物館)

2020年7月2日、深夜に関東地方の上空を西から東へと流れた火球が撮影されて話題になりました。国立科学博物館は7月13日、火球をともなって落下した隕石が千葉県習志野市内で見つかったことを発表しています。

■きれいに合わさる2つの破片を回収、「習志野隕石」として登録申請へ

7月2日の2時32分に流れた火球は人口密度が高い関東地方の上空を通過したこともあり、平塚市博物館学芸員の藤井大地氏や星景写真家/映像クリエイターのKAGAYA氏らによってその様子が撮影されています。また、流星・大気現象の観測ネットワーク「SonotaCo Network」が同ネットワークに寄せられた観測データをもとにした計算では、千葉県北部に隕石が落下した可能性も指摘されていました。

今朝は大火球が流れ、東京では爆発音も観測されたようです。2020年7月2日2時32分に流れた火球を、平塚の自宅から北の高い空に向けた広角カメラで見た様子です。満月よりも明るい大火球だったので、隕石になった可能性があります。富士は厚い雲のため、残念ながら観測できていません。 pic.twitter.com/mWSG7TWEr0

— 藤井大地 (@dfuji1) July 1, 2020

▲藤井大地氏が撮影・Twitterに投稿した7月2日の火球▲

国立科学博物館によると、7月4日に習志野市に住む方から千葉県立中央博物館へ隕石の落下に関する問い合わせがあり、翌7月5日に千葉県立中央博物館が実物を確認した後に国立科学博物館へ調査が依頼されたといいます。見つかったのは重さ63gと70gの2つの破片で、きれいに合わせられることから1つの隕石が割れたものとみられています。

2つの破片を並べた写真。右側の破片は落下の2日後に回収されたため、外気と雨により金属が錆びて茶色くなっている(Credit: 国立科学博物館)

ガンマ線測定の結果、宇宙線の作用によって生成される放射性核種(アルミニウム26、ナトリウム22、マンガン54、マンガン52など)が検出されたことから、見つかった破片は最近落下した隕石と確認されています。現在2つの破片は含まれている鉱物や希ガスの分析が進められており、隕石の分類が確定した後に「習志野隕石」として国際隕石学会に登録申請する予定とされています。国立科学博物館によると、日本国内に落下したものとしては2018年9月の「小牧隕石」以来およそ2年ぶり、53番目に確認された隕石となります。

また、落下予想地域の計算を行ったSonotaCo Networkは、落下した隕石の質量が回収された合計113gを大きく上回る可能性が指摘されていることに触れ、新型コロナウイルス感染症のもとで組織的な現地調査を実施するのが難しいことから、落下予想地域を生活圏とする人々による隕石の発見に期待を寄せています。今回落下した隕石の破片がさらに見つかれば、隕石の落下予想計算の精度向上や隕石のもとになった天体に関する知見につながるとしています。

なお、SonotaCo Networkに寄せられた観測データからは2017年4月29日に近畿地方で目撃された火球のもとになった天体が地球接近小惑星「(164121) 2003 YT1」であることが以前にも割り出されており、小惑星の研究において役立てられています。

SonotaCo Networkに寄せられた観測データをもとに計算された隕石の落下予想範囲(Credit: SonotaCo Network)

 

関連:2017年に関西の空で目撃された火球、地球接近小惑星の破片と判明

Image Credit: 国立科学博物館
Source: 国立科学博物館(PR TIMES) / SonotaCo Network
文/松村武宏