パーセベランスを搭載したアトラスVロケットの打ち上げ(Credit: ULA)

既報の通り、日本時間7月30日20時50分に火星探査車「パーセベランス」がケープカナベラル空軍基地から打ち上げられました。約1時間後にロケット上段から切り離されたパーセベランスは地球から火星への遷移軌道に乗りましたが、NASAは一時的な現象によりパーセベランスがセーフモード(システムの重要な機能以外がオフにされた状態)に入っていたことを明らかにしました。パーセベランスの状態は良好で、すでにセーフモードから通常のモードに復帰しています。

副プロジェクトマネージャーのMatt Wallace氏によると、パーセベランスが地球の影に入ったことで一時的に機体の温度が下がったことがセーフモードの原因と考えられるようです。火星に到着するまでのあいだ、パーセベランスの冷却はクルーズステージ(※)に取り付けられている放熱器が担っており、放熱器に出入りする冷却材の温度もチェックされています。Wallace氏は、地球の影に入った際に機体が冷えたことで放熱器から出てくる冷却材の温度が下がり、放熱器に入っていく温かい冷却材との温度差が一時的に拡大したことでアラームが作動し、セーフモードに入ったとしています。

※…地球から火星への飛行を担当する部分。火星の大気圏へ突入する前に切り離される

温度の低下にともなってこのような現象が起きる可能性は予想されていたといいますが、Wallace氏によると、打ち上げ前の試験では発生する状況を正確に再現することができなかったとのこと。また、パーセベランスは2011年11月に打ち上げられた火星探査車「キュリオシティ」をベースに作られていますが、キュリオシティが打ち上げられた際には地球の影に入ることはなかったため、キュリオシティのデータを参考にすることもできなかったようです。Wallace氏は、探査機にとってセーフモードは安定した許容できる状態であり、今回のミッションにおいてこの段階でセーフモードに移行しても問題はないとコメントしています。

 

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Image Credit: ULA
Source: NASA(1) / NASA(2) / NASA(3)
文/松村武宏