満月の色のコレクション

満月の色のコレクション(Credit: Marcella Giulia Pace)

「月は何色ですか?」と尋ねられたら、あなたは何色を思い浮かべるでしょうか。太陽の光を反射して輝く月は、宇宙では暗い茶色がかった灰色(灰褐色)に見えます。しかし、地上から大気を通して見上げる月は、宇宙で見る月とは全く異なった色で見えることがあります。

冒頭の画像は、天体写真家のMarcella Giulia Pace氏がイタリア各地で10年以上に渡り撮影した満月の「色」のコレクション。カラフルな満月が中央から外側へと渦巻き模様を描くように配置されています。あなたが思い浮かべた月の色は、どの満月に近いでしょうか。

地球の大気を通過する光は、波長が短いほう……言い換えれば青い光のほうが大気を構成する分子に散乱されやすい性質があります。昼間の空が青く見えるのはそのためです。いっぽう、地平線や水平線に沈みつつある太陽の光は地球の大気中で昼間よりも長い距離を進み、波長の長い赤い光が残るために夕日は赤く見えるのです。月の色も同じで、赤やオレンジ色や濃い黄色の月は、ふつう地平線や水平線の近くで見ることができます。青い色をした月は赤や黄色の月よりも珍しく、大気中を浮遊する塵のサイズが大きい場合に見られるといいます。

画像の中央付近にある紫色の月も目を引きます。いくつかの効果が組み合わさった結果と考えられているものの、紫色に見えるはっきりとした原因はよくわかっていないようです。また、画像の右下で渦巻き模様の最後を飾っているのは、2018年7月の皆既月食中に捉えられた月です。地球の影の中に入った月が地球の大気で屈折した赤い光(太陽光)に照らされることで、少しだけ赤い色をしています。

なお、今月末(2020年11月30日)の満月はネイティブ・アメリカンの文化圏などで「ビーバームーン」(英:Beaver Moon、ビーバーの冬支度やビーバーを捕らえる罠を仕掛ける時期に由来)として知られています。晴れていれば一晩中見られる満月の色が昇るにつれてどのように変化するのか、観察してみるのも良いかもしれません。冒頭の画像はAstronomy Picture of the Day(APOD)に2020年11月11日付で掲載されています。

 

Image Credit: Marcella Giulia Pace
Source: APOD
文/吉田哲郎