惑星状星雲「IC 4593」

惑星状星雲「IC 4593」(Credit: X-ray: NASA/CXC/UNAM/J. Toalá et al.; Optical: NASA/STScI)

こちらはヘルクレス座の方向およそ7800光年先にある惑星状星雲「IC 4593」の観測データをもとに作成された画像です。X線観測衛星「チャンドラ」の管制を担うスミソニアン天体物理観測所のチャンドラX線センターでは、青紫色やピンク色で示されたIC 4593を宝石のアメジストにたとえています。

超新星爆発を起こさない太陽のような比較的軽い恒星(質量が太陽の8倍以下)は、その晩年に赤色巨星へと進化し、周囲にガスを放出します。赤色巨星から白色矮星へと進化していく熱い中心星が放射する紫外線によってガスが電離し輝くようになった天体は、惑星状星雲と呼ばれます。

画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡による光学観測データとチャンドラによるX線での観測データが組み合わせられています。ピンク色と緑色の領域はハッブル宇宙望遠鏡の観測によるもので、ピンク色は水素、酸素、窒素の分布に、緑色は主に窒素の分布に対応しています。

いっぽう、中心付近の紫色で示された泡状の領域には、チャンドラの観測によって捉えられた摂氏100万度以上の高温ガスが存在しているといいます。収縮した中心星に吹き飛ばされた物質が過去に放出されたガスと衝突したことで、これほどの温度に達したものと考えられています。

冒頭の画像はチャンドラX線センターから「A Cosmic Amethyst in a Dying Star」と題して2020年11月12日に公開されています。

 

Image Credit: X-ray: NASA/CXC/UNAM/J. Toalá et al.; Optical: NASA/STScI
Source: チャンドラX線センター
文/松村武宏