反射星雲「M78」(Credit: ESO/Igor Chekalin)

反射星雲「M78」(Credit: ESO/Igor Chekalin)

こちらの画像の中央に写っているのは星雲「M78」(NGC 2068)の姿です。星雲の左上から右下にかけて伸びる暗いアーチ状の構造や、その向こう側で青白く輝く分子雲の広がりが見事に捉えられています。M78の左上には別の星雲「NGC 2071」の姿も見えています。

M78というと日本では特撮作品のウルトラマンシリーズに登場するキャラクターの故郷としてその名が知られていますが、実際のM78はオリオン座の方向およそ1400光年先にある直径約4光年とされる反射星雲です。見かけの等級は8等で、小さな望遠鏡でも観測することが可能です。

反射星雲とは、ガスや塵の集まりである分子雲が恒星の光を反射することで輝く星雲のこと。ヨーロッパ南天天文台(ESO)によると、M78では中心付近に2つの明るい星(HD 38563AおよびHD 38563B)があり、この星の光を反射することで輝いているといいます。アーチ状の構造が反射光を隠していることからもわかるように、濃密な分子雲は光を遮ってしまうため、M78の背後にあるはずの星々の光も覆い隠されています。

ガスや塵が豊富な分子雲は星が新たに形成される場所でもあります。M78には星雲を輝かせている2つの星以外にも数多くの星があり、そのなかには星の中心で水素の核融合がまだ始まっていない「おうし座T型星(Tタウリ型星)」と呼ばれるタイプの若い星(誕生から1000万年未満)も含まれているといいます。星形成の初期段階や惑星の形成を理解する上で、おうし座T型星は重要な研究対象となっています。

冒頭の画像はESOのラ・シヤ天文台にあるMPG/ESO 2.2m望遠鏡によって可視光線の波長で観測されたもので、2011年2月16日付で公開されています。

 

Image Credit: ESO/Igor Chekalin
Source: ESO (1) / ESO (2) / NASA
文/松村武宏