ドッキングポートを変更するために国際宇宙ステーションの小型研究モジュール1「ラスヴェット」を離れる有人宇宙船「ソユーズMS-18」(Credit: NASA TV)

【▲ ドッキングポートを変更するために国際宇宙ステーションの小型研究モジュール1「ラスヴェット」を離れる有人宇宙船「ソユーズMS-18」(Credit: NASA TV)】

日本時間2021年9月28日、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしている有人宇宙船「ソユーズMS-18 “ユーリ・ガガーリン”」のドッキングポート変更を目的とした40分余りの短い飛行が実施されました。

ロスコスモスのオレッグ・ノヴィツキー(Oleg Novitskiy)宇宙飛行士とピョートル・ドゥブロフ(Pyotr Dubrov)宇宙飛行士、アメリカ航空宇宙局(NASA)のマーク・ヴァンデハイ(Mark Vande Hei)宇宙飛行士の3名が搭乗したソユーズMS-18は、日本時間9月28日21時21分にISSロシア区画の小型研究モジュール1「ラスヴェット」とのドッキングを解除。ISSから約120m離れたソユーズMS-18はクルーによるISSの写真撮影を行った後に、同日22時4分にロシア区画の多目的実験モジュール「ナウカ」に再ドッキングしました。

宇宙服を着用した宇宙飛行士たち。左から:マーク・ヴァンデハイ飛行士、オレッグ・ノヴィツキー飛行士、ピョートル・ドゥブロフ飛行士(Credit: NASA)

【▲ 宇宙服を着用した宇宙飛行士たち。左から:マーク・ヴァンデハイ飛行士、オレッグ・ノヴィツキー飛行士、ピョートル・ドゥブロフ飛行士(Credit: NASA)】

ナウカは日本時間2021年7月29日にISSへドッキングしたばかりのモジュールです。ドッキング直後にソフトウェアの不具合からエンジンを誤噴射するトラブルが起きたものの、その後のナウカはISSへの統合作業が進められています。ナウカは機体の前後にドッキング機構を備えており、ソユーズ宇宙船や無人補給船「プログレス」などとのドッキングにも対応していますが、ナウカのドッキングポートが実際にソユーズ宇宙船とのドッキングに使用されたのは今回が初めてとなります。

今回の飛行は、主に日本時間10月5日に打ち上げとISSへのドッキングが予定されている有人宇宙船「ソユーズMS-19」の到着に備えるためのものです。NASAやロスコスモスによると、ソユーズMS-19はラスヴェットにドッキングすることになっているため、ソユーズMS-18を別のドッキングポートへ移動させる必要がありました。また、今後打ち上げられる補給船「プログレスMS-17」の到着に備えて、ナウカのドッキング機構の動作を確認する必要もあったとされています。

多目的実験モジュール「ナウカ」とドッキング間近のソユーズMS-18(Credit: NASA TV)

【▲ 多目的実験モジュール「ナウカ」とドッキング間近のソユーズMS-18(Credit: NASA TV)】

10月5日に到着予定のソユーズMS-19には、ロシアのアントン・シュカプレロフ(Anton Shkaplerov)宇宙飛行士、女優のユリア・ペレシルド(Yulia Peresild)さん、監督のクリム・シペンコ(Klim Shipenko)さんの3名がプライムクルーとして搭乗することになっており、ISSで初となる長編映画の撮影が行われます。

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なお、ノヴィツキー飛行士はペレシルドさんおよびシペンコさんとともに日本時間10月17日にソユーズMS-18で地球へ帰還する予定ですが、ドゥブロフ飛行士とヴァンデハイ飛行士は2022年3月までISSに留まることが先日発表されています。これによりヴァンデハイ飛行士のISS連続滞在日数は約1年間となり、2015年から2016年にかけて滞在したスコット・ケリー(Scott Kelly)宇宙飛行士の340日を超えて、NASAの宇宙飛行士による連続滞在日数の最長記録を更新する見込みです。

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ソユーズMS-18が飛行を終えた時点での国際宇宙ステーションを再現したCG。ソユーズの他にも2機の「ドラゴン」宇宙船や1機の「シグナス」補給船が係留されている(Credit: NASA)

【▲ ソユーズMS-18が飛行を終えた時点での国際宇宙ステーションを再現したCG。ソユーズの他にも2機の「ドラゴン」宇宙船や1機の「シグナス」補給船が係留されている(Credit: NASA)】

 

Image Credit: NASA
Source: NASA / Roscosmos
文/松村武宏