中国は現地時間2021年12月30日0時43分、四川省の西昌衛星発射センターにて「長征3B」ロケットの打ち上げを実施しました。ロケットには中国空間技術研究所(CAST)が開発・製造した人工衛星「通信技術試験衛星9号」が搭載されており、静止トランスファ軌道へ投入されたということです。中国で宇宙開発を推進する中国航天科技集団(CASC)は、同衛星について「マルチバンドかつ高速の衛星通信技術を実証する」と公表しています。

西昌衛星発射センターから打ち上げられる長征3Bロケット(Credit: CASC)

【▲西昌衛星発射センターから打ち上げられる長征3Bロケット(Credit: CASC)】

このミッションをもって、中国では2021年のロケット打ち上げが全て終了しました。中国では2021年の1年間に合計55機のロケットが打ち上げられており、同国における過去最多の年間打ち上げ数を記録するとともに、CNSAによると同年に実施された国別の打ち上げ数でも世界1位となりました。この記録には中国国内の民間企業による打ち上げも含まれています。

なお、2021年は長征ロケットシリーズが打ち上げ通算400回のマイルストーンを迎えました。1970年から運用されている長征ロケットは、小型から大型、有人打ち上げ用までバリエーションが豊富であることが特徴の一つです。2021年にCASCが打ち上げた長征ロケットは48機(成功率100%)を数え、今回の長征3B打ち上げによって長征ロケットシリーズの合計打ち上げ数は405機となっています。

また、2021年は中国の宇宙開発が大きく前進した年でもありました。4月29日には中国が独自に建設を進める「中国宇宙ステーション」(CSS)のコアモジュール「天和」が「長征5B」ロケットによって地球低軌道に運ばれており、続く5月29日にはCSSへ物資を輸送する補給船「天舟2号」が天和モジュールへのドッキングに成功しています。

6月17日には中国にとって5年ぶりとなる有人宇宙船「神舟12号」の打ち上げが実施され、3人の宇宙飛行士がCSSへ乗船するなど、同国は宇宙ステーション建設への一歩を踏み出しました。10月には有人宇宙船「神舟13号」のミッションが始まっており、2022年1月4日現在も天和モジュールには3人の飛行士が滞在しています。

 

Image Credit: CASC
Source: CASC(中国語)/CASC(英語)/SpaceNews
文/sorae編集部