太陽に接近するNASAの太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブのイメージ図(Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben)

【▲太陽に接近するNASAの太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブのイメージ図(Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben)】

NASAは2021年12月15日、NASAの太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブ(Parker Solar Probe)が、2021年4月28日、8回目のフライバイにおいて、人類史上初めて太陽の上層大気、いわゆるコロナに突入したことを確認したと発表しました。パーカー・ソーラー・プローブは、2018年に打ち上げられ、太陽の磁場の構造やコロナと太陽風の加速の関係などの調査を目的としています。

太陽の大気の上層部はコロナと呼ばれています。その温度は100万℃以上にも達します。

このコロナは太陽の重力と磁場によって保持されています。そのため、太陽からある程度離れると、太陽の重力と磁場が弱まり、高温による圧力のために、宇宙空間に流出し始めます。こうしてコロナから流出する高温のプラズマ流が太陽風です。そのスピードは400〜800km/sにも達します。

そして、このようなコロナと太陽風の境界をアルヴェーン臨界面(the Alfvén critical surface)といいます。この境界面の内側がコロナということになります。

2021年4月28日、8回目のフライバイの最中、太陽の表面から18.8太陽半径の距離のところで、パーカー・ソーラー・プローブが、コロナに特徴的な磁場と粒子の状態を観測しました。例えば、コロナでは、磁場が粒子の動きを支配できるほどに強くなります。そして、これによって、パーカー・ソーラー・プローブが、人類史上初めて、アルヴェーン臨界面を超えて、コロナに突入したことが確認されました。

そして、面白いことに、このフライバイの最中に、パーカー・ソーラー・プローブは何度かコロナに入ったり出たりしました。これによって、アルヴェーン臨界面は、干し柿のようにシワシワで、凹凸があることが解りました。

このようなパーカー・ソーラー・プローブによる人類史上初めてのコロナへの突入は数時間に渡って続きました。

パーカー・ソーラー・プローブによる太陽探査計画のとても解りやすいまとめ(Credit: NASA's Goddard Space Flight Center/Mary P. Hrybyk-Keith)

【▲パーカー・ソーラー・プローブによる太陽探査計画のとても解りやすいまとめ(Credit: NASA's Goddard Space Flight Center/Mary P. Hrybyk-Keith)】

これから、パーカー・ソーラー・プローブは、8.86太陽半径の距離までジワジワと太陽に接近しつつ、フライバイを繰り返します。

研究チームを率いたジャスティン・カスパーさんは「(これから観測する)コロナは太陽におけるあらゆる種類の物理現象が潜在的に発生するとても重要な場所です」とコメントしています。

 

Image Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben/NASA's Goddard Space Flight Center/Mary P. Hrybyk-Keith
Source: NASAの記事/論文
文/飯銅重幸(はんどうしげゆき)