【▲ 2021年8月の第9回フライバイ時に「パーカー・ソーラー・プローブ」が撮影した太陽コロナのストリーマー(流線)】
(Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Naval Research Laboratory)

こちらは、アメリカ航空宇宙局(NASA)の太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」が連続撮影した画像をもとに作成された動画です。パーカー・ソーラー・プローブは2021年4月に実施された第8回フライバイでアルヴェーン臨界面(太陽の上層大気であるコロナと太陽風の境界)を超え、太陽表面から約1040万km(太陽半径の約15倍)まで接近しており、人類史上初めて太陽コロナに到達した探査機となりました。

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動画には左から右へと流れるような幾つもの明るい構造が捉えられています。パーカー・ソーラー・プローブを開発したジョンズ・ホプキンス応用物理学研究所によると、これらは「ストリーマー(流線)」と呼ばれる太陽コロナの構造で、皆既日食時には地球からも見ることができますが、コロナの内部に到達したパーカー・ソーラー・プローブはその近くを通過しながら撮影したことになります。

2021年8月の第9回フライバイ時にパーカー・ソーラー・プローブが撮影した画像の1つ(Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Naval Research Laboratory)

【▲ 2021年8月の第9回フライバイ時にパーカー・ソーラー・プローブが撮影した画像の1つ(Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Naval Research Laboratory)】

動画に使われている画像は、パーカー・ソーラー・プローブに搭載されている広視野カメラ「WISPR」によって、2021年8月に実施された第9回フライバイ時に撮影されました。パーカー・ソーラー・プローブはこの時も前回の第8回フライバイと同じ距離まで太陽に接近しており、WISPRは最接近前後の様子を撮影し続けました。WISPRは撮影方向と範囲が異なる2つのカメラで構成されているため、動画では各カメラの画像が合成された上で用いられています。

なお、パーカー・ソーラー・プローブは金星の重力を利用した軌道変更(スイングバイ)を繰り返し、徐々に太陽へと接近していきます。2021年11月の第10回フライバイ時には太陽表面から約850万km(太陽半径の約12倍)まで近づいており、最終的には太陽表面から約616万km(太陽半径の8.86倍)まで接近して観測を行う予定です。

地球から撮影された太陽コロナの例。2017年8月の皆既日食時にオレゴン州で撮影されたもの(Credit: NASA/Aubrey Gemignani)

【▲ 地球から撮影された太陽コロナの例。2017年8月の皆既日食時にオレゴン州で撮影されたもの(Credit: NASA/Aubrey Gemignani)】

 

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Image Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Naval Research Laboratory
Source: NASAゴダード宇宙飛行センター / ジョンズ・ホプキンス応用物理学研究所
文/松村武宏