福岡県に本社を置く民間宇宙企業QPS研究所とアメリカのヴァージン・オービット社は、QPS研究所の小型SAR衛星「QPS-SAR」5号機をヴァージン・オービットの「ランチャーワン」ロケットで打ち上げる契約を締結しました。5号機は2023年初頭に打ち上げられる予定です。

ボーイング747-400から発射されるヴァージン・オービット社の小型ロケット(Credit:Virgin Orbit/Greg Robinson)

【▲ ボーイング747-400から発射されるヴァージン・オービット社の小型ロケット(Credit:Virgin Orbit/Greg Robinson)】

「LancherOne(ランチャーワン)」ロケットは、ボーイング747-400を改良した空中発射母機「Cosmic Girl(コズミック・ガール)」に搭載されます。アメリカ・カルフォルニア州にあるモハーヴェ空港から離陸し、高度10km以上の成層圏でロケットを打ち上げます。このシステムを用いることで、地上の固定発射台を用いた打ち上げとは異なり、地上の天候に左右されず、スケジュール通りに打ち上げることができるということです。

ヴァージン・オービット社は現地時間2022年1月13日に、「Above the Clouds(アバブ・ザ・クラウド)」ミッションを実施し、7機の衛星を軌道へ投入しました。この打ち上げは、同社にとって3回目の軌道投入の成功となりました。

参考:ヴァージン・オービット「ランチャーワン」3回目の打ち上げ成功! 7機の衛星を搭載

同社のCEOであるDan Hart氏は、「今回のQPS研究所との協業は、変化していく打上げ市場で、ダイナミックに仕事をする機会を私たち双方に与えてくれるものと信じています。」とコメントしています。また、QPS研究所の代表取締役社長CEOである大西俊輔氏は、大分県とヴァージン・オービット社が提携し、大分空港・宇宙港として発展する構想を述べ、「九州に宇宙産業を根付かせることを目的に会社を立ち上げたQPS研究所の創業者達は『九州で製造した衛星を九州から打ち上げる』ことへ強い想いを持っています。今回のQPS研究所とVirgin Orbit社との打上げ契約が、この大分スペースポートの早い実現を後押しするものになることを期待しています。」と述べています。

QPS研究所は、2025年以降をめどに、36機の小型衛星からなる衛星コンステレーションを構築する構想があります。このシステムにより、地球上の任意の場所を平均10分間隔というほぼリアルタイムで観測が可能になるということです。同社は2022年4月18日に、株式会社IHIエアロスペースと「QPR-SAR」3号機と4号機を「イプシロン」ロケット6号機で打ち上げる契約を締結しました。衛星コンステレーションの実現に向けて、その取り組みを進めていることが分かります。

【▲QPS研究所が開発する「QPS-SAR」衛星(Credit: QPS研究所)】

【▲QPS研究所が開発する「QPS-SAR」衛星(Credit: QPS研究所)】

 

参考記事:九州で製造した衛星を九州から宇宙へ! QPS研究所のSAR衛星がイプシロン6号機で打ち上げへ

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Image credit: Virgin Orbit/QPS研究所 QPS研究所 - 小型SAR衛星QPS-SAR5号機の打上げに関して 米国Virgin Orbit(ヴァージン・オービット)社と契約、2023年初頭に打上げ予定

文/出口隼詩