【▲ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の想像図(Credit: NASA GSFC/CIL/Adriana Manrique Gutierrez)】

【▲ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の想像図(Credit: NASA GSFC/CIL/Adriana Manrique Gutierrez)】

アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)は、新型宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ(James Webb)」による科学観測で取得された画像とデータが、2022年7月12日に初公開されることを発表しました。あと40日ほどで、私たちはウェッブ宇宙望遠鏡初観測の成果を目にすることになります。

2021年12月25日に打ち上げられたジェイムズ・ウェッブは、赤外線の波長で天体を観測する宇宙望遠鏡です。ウェッブ宇宙望遠鏡は2022年1月下旬に太陽と地球のラグランジュ点のひとつ「L2」を周回するような軌道(ハロー軌道)へ到着した後に、2022年夏からの科学観測開始に向けて調整が進められてきました。調整の過程で試験的に取得された画像はすでに幾つか公開されていて、ウェッブ宇宙望遠鏡が仕様を上回る性能を発揮していることが確かめられています。

【▲ 引退したNASAの宇宙望遠鏡「スピッツァー」(左)と新型宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」(右)が撮影した、大マゼラン雲の同じ領域の比較画像(Credit: NASA/JPL-Caltech (left), NASA/ESA/CSA/STScI (right))】

【▲ 引退したNASAの宇宙望遠鏡「スピッツァー」(左)と新型宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」(右)が中間赤外線の波長で取得した、大マゼラン雲の同じ領域の比較画像(Credit: NASA/JPL-Caltech (left), NASA/ESA/CSA/STScI (right))】

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7月に公開されるのは、ウェッブ宇宙望遠鏡による最初の科学観測で取得された画像群と分光観測データです。分光観測とは天体のスペクトル(波長ごとの電磁波の強さ)を得る観測手法のことで、様々な原子や分子が特定の波長の電磁波を吸収したことで生じる暗い線「吸収線」や、反対に特定の波長の電磁波を放つことで生じる明るい線「輝線」を見ることで、研究者はその天体の特徴を知ることができます。

NASAとESAによれば、最初に公開される画像は「初期の宇宙」「銀河の進化」「星のライフサイクル」といった、ミッションの焦点となっている科学テーマを強調したものになるようです。当初の計画から最終的に14年遅れで打ち上げられたウェッブ宇宙望遠鏡、多くの研究者や宇宙ファンから待ち望まれた観測データの公開まで、もう間もなくです!

 

Source

Image Credit: NASA GSFC/CIL/Adriana Manrique Gutierrez NASA - First Images From NASA’s Webb Space Telescope Coming Soon ESA - Looking ahead to Webb’s first images

文/松村武宏