【▲ 渦巻銀河「M61」(NGC 4303)。色は電離した水素・酸素・硫黄のガスの分布に対応している(Credit: ESO/PHANGS)】

【▲ 渦巻銀河「M61」(NGC 4303)。色は電離した水素・酸素・硫黄のガスの分布に対応している(Credit: ESO/PHANGS)】

こちらは「おとめ座」の方向約5200光年先にある渦巻銀河「NGC 4303」のクローズアップです。18世紀にフランスの天文学者シャルル・メシエがまとめた「メシエカタログ」には「M61(Messier 61)」として登録されています。M61は「おとめ座銀河団」を構成する1000個以上の銀河のひとつであり、スターバースト銀河(爆発的な星形成活動が起きている銀河)としても知られています。

末尾に掲載した画像のように、一般的な渦巻銀河の画像では、渦巻腕(渦状腕)が青い星々の輝きに彩られています。いっぽう、冒頭のM61の画像は新たに誕生した星によって電離した様々な元素のガスの分布に応じて色が付けられているため、まるで輝く金細工のようにも見えます。画像を公開したヨーロッパ南天天文台(ESO)によると、色は赤が水素、オレンジが硫黄、青が酸素の分布に対応しています。

この画像は、近傍宇宙の銀河を対象とした観測プロジェクト「PHANGS」(Physics at High Angular resolution in Nearby GalaxieS)の一環として取得されました。PHANGSプロジェクトにはアメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)の「ハッブル」宇宙望遠鏡、チリの電波望遠鏡群「アルマ望遠鏡(ALMA)」、同じくチリのパラナル天文台にあるESOの「超大型望遠鏡(VLT)」が参加しました。

PHANGSプロジェクトでは銀河における星形成を理解するために、様々な波長の電磁波を使った高解像度の観測が5年以上の歳月をかけて行われました。冒頭の画像はVLTの広視野面分光観測装置「MUSE」を使って3つの波長域で取得された観測データをもとに作成されたもので、ESOの今週の一枚として2022年8月1日付で公開されています。

【▲ 渦巻銀河「M61」(Credit: ESA/Hubble & NASA, ESO, J. Lee and the PHANGS-HST Team)】

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」とVLTの「FORS2渦巻銀河「M61」(Credit: ESA/Hubble & NASA, ESO, J. Lee and the PHANGS-HST Team)】

 

関連:色鮮やかに元素の分布が示された銀河「M99」、ヨーロッパ南天天文台が画像公開

Source

Image Credit: ESO/PHANGS ESO - The golden era to study stellar births

文/松村武宏