【▲ オリオン大星雲のハービッグ・ハロー天体「HH 505」とその周辺(Credit:

【▲ オリオン大星雲のハービッグ・ハロー天体「HH 505」とその周辺(Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Bally; Acknowledgement: M. H. Özsaraç)】

こちらは散光星雲「オリオン大星雲(M42)」にあるハービッグ・ハロー天体「HH 505」とその周辺を捉えた画像です。虹のような色合いと星々の輝きは、まるで天界を描いた絵画のようにも見えます。

ハービッグ・ハロー(Herbig-Haro)天体とは、若い星の周囲に見られる明るい星雲状の天体のこと。若い星から恒星風やジェットとして流れ出たガスが、周囲のガスや塵の雲と衝突して励起させることで、光が放たれていると考えられています。

画像を公開した欧州宇宙機関(ESA)によると、HH 505の場合、ガスは画像中央のやや上で輝いている約1000光年先の星「オリオン座IX星(IX Ori)」から流れ出ているようです。このガスの流れは、オリオン大星雲の中心部(画像の左方向)からくるガスや塵の大規模な流れと相互作用して曲がりくねるように歪み、画像の上下に曲線状の構造として見えているといいます。

この画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡に搭載されている「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」を使って取得された画像(3種類のフィルターを使用)をもとに作成されたもので、ハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚としてESAから2022年8月8日付で公開されました。

なお、地球に最も近い大質量星形成領域とされるオリオン大星雲は、全天でも特に研究されている領域の一つであり、ハッブル宇宙望遠鏡を使った観測も度々行われてきたといいます。最後に掲載したオリオン大星雲とその北隣にある散光星雲「M43」の画像は、ハッブル宇宙望遠鏡のACSを使って取得された520枚の画像をもとに作成されたもので、2009年に公開されています。

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した散光星雲「オリオン大星雲(M42)」と「M43」(左上)(Credit: NASA, ESA, M. Robberto ( Space Telescope Science Institute/ESA) and the Hubble Space Telescope Orion Treasury Project Team)】

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した散光星雲「オリオン大星雲(M42)」と「M43」(左上)(Credit: NASA, ESA, M. Robberto ( Space Telescope Science Institute/ESA) and the Hubble Space Telescope Orion Treasury Project Team)】

 

関連:ハッブルが撮影、若い星のジェットが輝かせる「ハービッグ・ハロー天体」

Source

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Bally; Acknowledgement: M. H. Özsaraç ESA/Hubble - Celestial Cloudscape in the Orion Nebula

文/松村武宏