【▲ 球状星団「NGC 6540」(Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Cohen)】

こちらは「いて座」の方向約1万8000光年先にある球状星団「NGC 6540」です。球状星団とは、数万〜数百万個の恒星が球状に集まっている天体のこと。天の川銀河ではこれまでに150個ほどの球状星団が見つかっています。色とりどりの数え切れない星々が視野全体で輝く様子は、あふれんばかりの宝石が詰め込まれた宝石箱をのぞき込んでいるかのようです。

NGC 6540がある「いて座」の方向には、天の川銀河中心部分の星々が集まった膨らみ「銀河バルジ」があります。バルジには星だけでなくガスや塵も集まっていますし、いて座や「さそり座」の方向では塵が豊富な暗黒星雲も帯のように連なっています。塵には星から放射された光(特に波長の短い青色光)を吸収・散乱させやすい性質があるので、星からの光を遮ったり、実際よりも赤っぽく見えるように変えてしまったりします。

ただし、可視光線の赤色光や近赤外線といった一部の波長は塵を比較的通過しやすいため、塵の向こう側にある天体を観測するのに役立ちます。天の川銀河の中心方向に見えるNGC 6540を捉えたこの画像は、可視光線に加えて赤外線の波長で取得された画像も使って作成されました。ちなみに、一部の星に見える十字形の光は、望遠鏡の副鏡を支えるスパイダー(梁)で回折した光による「diffraction spike(回折スパイク)」と呼ばれるものです。

冒頭の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡に搭載されている「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」および「広視野カメラ3(WFC3)」を使って取得された画像から作成されたもので、欧州宇宙機関(ESA)からハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚として2022年8月15日付で公開されています。

 

関連:星々の光が満ちあふれる球状星団の中心部。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影

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Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Cohen ESA/Hubble - Hubble Spies a Scintillating Globular Cluster

文/松村武宏