【▲ 渦巻銀河「NGC 5495」(Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Greene; Acknowledgement: R. Colombari)】

【▲ 渦巻銀河「NGC 5495」(Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Greene; Acknowledgement: R. Colombari)】

こちらは「うみへび座」にある約3億光年先の渦巻銀河「NGC 5495」です。NGC 5495は地球に対して正面を向けた位置関係にある、いわゆるフェイスオン銀河のひとつ。星々が集まった中心部分の赤みを帯びた銀河バルジと、その周りを取り囲む青く彩られた渦巻腕(渦状腕)のコントラストが美しさを感じさせます。

この明るい中心部分は狭い領域から強い電磁波が放射されている活動銀河核(AGN)であり、NGC 5495は活動銀河核を持つ活動銀河の一種(セイファート2型)に分類されています。活動銀河核の原動力は超大質量ブラックホールだと考えられていて、NGC 5495の中心には太陽の約1000万倍の質量を持つブラックホールが存在すると推定されています。

この画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」を使って取得された画像(可視光線と赤外線のフィルター合計5種類を使用)をもとに作成されました。欧州宇宙機関(ESA)によると、ハッブル宇宙望遠鏡によるNGC 5495の観測は、銀河の中心に潜む超大質量ブラックホールに関する研究の一環として実施されました。銀河中心核から発せられた光にはブラックホールの活動によるものだけでなく、星々や星形成領域などからの光も含まれています。NGC 5495の中心から届く光を調べてその光源を“解きほぐし”、超大質量ブラックホールの質量を推定する上で、ハッブル宇宙望遠鏡の観測データが助けになったといいます。

また、画像では天の川銀河にある2つの恒星も明るく輝いています。1つはNGC 5495の右側にある星、もう1つはNGC 5495の中心近く(左上)に重なって見えている星です。2つの星から伸びた針のような光は回折スパイク(diffraction spike)と呼ばれるもので、ハッブル宇宙望遠鏡の内部構造によって生じています。冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚として、ESAから2022年9月26日付で公開されています。

 

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Source

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Greene; Acknowledgement: R. Colombari ESA/Hubble - Hubble Spies a Stately Spiral Galaxy

文/松村武宏