阪急、オリックス、近鉄、韓国・起亜で指導した山下千春氏

こんにちは!山下千春と申します。私は学生時代、陸上選手として活動していたのですが、ご縁があって26歳の時に阪急ブレーブスに入り、以降オリックス、近鉄、韓国の起亜でトレーニングコーチを務めました。

阪急時代は福本豊選手や山田久志投手、加藤秀司選手らそうそうたるメンバーでした。オリックスでは新人時代のイチロー選手、近鉄では石井浩郎選手、中村紀洋選手ら多くの選手を指導してきた経験を活かし、皆様のお役に立てれば幸いです。よろしくお願いします。

会社でパソコン等を使ってデスクワークをしていると、肩凝りや腰痛を発症する方も多いと思います。今回はそんな方々に職場や家庭でできる健康体操をご紹介します。私が独自に考案し、38年前に阪急に入った時から指導してきた体操です。

①背伸びの運動(16呼間)

1呼間から4呼間まで連動した動作で行います。1呼間で両指を組みながら、同時に右足を前に出します。2呼間で両腕を頭上に伸ばし、3呼間から4呼間で胸を反らします。5呼間で両指を組みながら左足を出し、以下6呼間以降は同じ動作を繰り返します。

健康体操1ⒸSPAIA

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②背伸びをしながら上体を捻る運動(16呼間)

次は背伸びの運動に腰の捻りを加えます。脊柱起立筋を刺激することで姿勢がよくなります。1呼間から4呼間まで連動した動作で行います。上の動作と同様に上体を反らし、5呼間から8呼間で上体を右に捻ります。左も同じように繰り返します。

健康体操2ⒸSPAIA

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③上下肢の運動(16呼間)全身運動

両足を肩幅に開き、起立の姿勢になります。1呼間で肘を伸ばしたまま両腕を胸の前へ肩の高さまで上げます。2呼間で両腕を下げながら体の後ろへ振り下ろし、両膝を曲げます。3呼間で両腕を前へ振りながら、頭の高さまで上げ、両膝を伸ばします。4呼間で両腕を下げながら、起立の姿勢に戻ります。5呼間から8呼間は、1呼間から4呼間と同じ動作を行います。以降、同じ繰り返しをします。

健康体操3ⒸSPAIA

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④肩回りの運動(16呼間)

両足を肩幅に開きます。1呼間で両腕を体の前に伸ばしながら、肩の高さまで上げます。2呼間で両腕を左右に広げます。3呼間で両腕を閉じ、体の前へ戻します。4呼間で両腕を下げます。5、6呼間で両腕を頭の上に上げながら、両腕を後ろに回します。7、8呼間で両腕を頭の後ろから上げ、前に回します。以降、同じ動作を繰り返します。

健康体操4ⒸSPAIA

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⑤体側の運動(16呼間)

両足を肩幅より少し広めに開きます。1呼間から4呼間で胸を張りながら右手を左側へ倒し、右体側を伸ばします。同じく5呼間から8呼間で左手を上げて右側へ倒し、左体側を伸ばします。以降、同じ繰り返しをします。

健康体操5ⒸSPAIA

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⑥前後屈の運動(16呼間)

両足を肩幅より少し広めに開きます。1、2呼間で両腕を頭上に上げながら体を反らし、3、4呼間で両膝を曲げながら上体を前に倒します。5呼間から8呼間で両腕を後方へ伸ばしながら、両膝を伸ばし、体を反らします。以降、繰り返しです。

健康体操6ⒸSPAIA

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⑦上体回旋の運動(16呼間)

両足を肩幅より少し広めに開きます。1呼間から4呼間で上体を右側→後方→左側→正面の順で天井または空に円を描くように上体を回旋させます。5呼間から8呼間で逆方向の動きをします。以降、繰り返しです。

健康体操7ⒸSPAIA

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⑧上半身の捻転運動(16呼間)

両足を肩幅より広めに開きます。次に中腰になり、右手を右膝、左手を左ひざに置きます。両肘を伸ばし、体が前に倒れ過ぎず、後ろに反らし過ぎないように注意してください。腰は真ん中に落として1、2呼間で右肩を体の正面に突き出し、上体を捻ります。3、4呼間で左肩を正面に突き出し、上体を捻ります。以降、同じ動作を交互に繰り返します。

健康体操8ⒸSPAIA

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剣道や相撲で言う「蹲踞(そんきょ)」の姿勢をイメージし、真っすぐな軸を作ります。阪急時代、蓑田浩二選手や松永浩美選手がネクストサークルで必ず行っていました。イチロー選手もよくやっていました。内外腹斜筋と腰回りと股関節を柔らかくします。肘が曲がるといくらでも倒れますので、両肘を伸ばしたまま正面に肩を出しながら上体を捻ります。

健康体操9ⒸSPAIA

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⑨足回りの運動、膝・大腿部の後ろ側を伸ばす運動(16呼間)

右足を後ろにして、左足を右足の前に出し、交差させます。左足は支えで少し曲げて、バランスを取ってもいいです。右足後方を伸ばすことに集中し、1呼間から16呼間、上体を上下の反動を使って伸ばします。その後、15秒から20秒間、上体を前屈したまま動きを止め、ストレッチを入れます。右足と左足を入れ替えて同じ動作を繰り返します。

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⑩膝の屈伸運動(16呼間)

両足を肩幅に開きます。1、2呼間で両膝を伸ばしながら、上体を床マットの方に前屈させ、3、4呼間で両膝を屈伸させます。以降、同じ動作を繰り返します。

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⑪両膝の内旋・外旋運動(16呼間)

両足を肩幅に開き、両手は膝の上に置きます。1、2呼間で中腰になりながら、両膝を内側から外側に回します。3、4呼間で中腰になりながら、両膝を外側から内側に回します。以降、同じ動作を繰り返します。

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⑫アキレス腱・下腿部の運動(16呼間)

両足を前後に少し広めに開きます。左足を少し広めに前に出し、右足を後ろに下げます。地面または床より踵を浮かせた状態で、反動を使って、1呼間から8呼間で膝を伸ばしたままで、右足首を上下運動させます。以降、足を入れ替え、同じ動作を繰り返します。

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いかがでしょうか。お昼休みとか、仕事始め、あるいは仕事が終わってからでもいいので約10分間、毎日やれば肩凝りや腰痛の予防になります。デスクワークが多いと、どうしても猫背になるので肩凝りが発生しやすくなります。腰への負担が大きいので、しっかりと伸ばすことが大切です。

ただ、あくまで予防法ですので、この体操をしたからと言って腰痛が治る訳ではありません。朝起きて感じた腰の痛みが、昼になってひどくなるようなら病院に行った方がいいでしょう。

次回は体の硬い人が関節の可動域を広げるためのストレッチをご紹介します。

山下 千春(やました・ちはる)1953年5月6日、鹿児島県出身。鹿児島南高時代に400メートルハードル(当時の高校記録樹立)と1600メートルリレーでインターハイ優勝。順天堂大時代にも400メートルハードルでインカレ優勝し、モントリオール五輪代表候補に選出。卒業後、故郷での体育教師を経て、1981年にトレーニングコーチとして阪急ブレーブス入団。福本豊や山田久志、加藤秀司、蓑田浩二ら阪急黄金時代のメンバーを指導した。オリックスでは新人時代のイチロー、1994年に近鉄に移ってからは石井浩郎、野茂英雄、中村紀洋らを指導し、2005年から韓国・起亜タイガースでもトレーニングコーチを務めた。