勝負強いバッティングが光る

このところの数試合、4番に抜擢されているライオンズの中村剛也。もともとは4番をつとめていたのだが、山川穂高の活躍によって打線の下位を打つことが増えていた。しかし、山川が不調に陥ったため8月11日より再び4番に戻り、しっかりと打点を稼ぐことで勝利に貢献している。

中村が4番に座ってからの成績は7勝3敗(8/21日終了時点)。3位、4位を行ったり来たりしていたチームが2位に躍り出て首位ソフトバンクを追撃する力になっている。また、打撃不振に陥っていた山川も10試合で5本のホームランを放つなど、徐々に調子を取り戻してきた。4番から外れたことで精神的余裕が生まれたのかもしれない。

中村はここまで、4番として勝利に貢献するため長打を打ちたいところを我慢し、意識してムリのないバッティングでつなごうとしている打席が多い。狙い球を絞り、打てないボールは余裕を持って見逃すケースも見られるようになった。

3番を打つ森友哉が首位打者争いをし、1番を打つ秋山翔吾は球界を代表するリーディングヒッター。そして今、チャンスで回ってくることが多いライオンズの4番に適したバッティングでチームに貢献しているのが中村だ。

もちろん、本来の魅力であるホームランも健在。4番に入った8試合では2本のホームランを放っている。今シーズンのホームラン数も107試合で22本と、全体で8位。中村の放つきれいな放物線は、今シーズンもファンを魅了している。近年は怪我に泣かされることも多かったが、チームのために貢献する姿に心を打たれたファンも多いのではないだろうか。

自身最高打率、最高得点圏打率、打点王も狙える

中村の長所と言えば、きれいな放物線を描くホームランだが、今年は自身最高打率も狙える成績だ。中村のこれまでの最高打率は、2009年に記録した2割8分5厘。今季はここまで2割8分1厘となっている。このまま調子をキープできれば、2割9分、3割も夢ではないところにいる。これはまさに、チームバッティングを心がけている結果と言えよう。

また、得点圏打率も3割6分1厘と現在2位。2位の森友哉が3割7分5厘、3位の西川遥輝が3割5分6厘と、まだまだ行方はわからないが、パ・リーグの中で一番チャンスに強いバッターとして輝く可能性もある。

さらに、打点王のタイトルを狙える位置にもいる。現在の打点は91。これは、1位の山川穂高(99打点)に次ぐ成績だ。山川も調子を取り戻してきているので、ライオンズの長距離砲2人によるタイトル争いは、今後ますますヒートアップしていきそうだ。

現在、上位打線は1番が秋山、3番が森。2番は、不動のショートである源田壮亮が怪我の影響で出たり出なかったりのため、俊足の金子侑司が入ることもある。秋山と森は3割を超えており、俊足の金子と源田も盗塁を仕掛けられるので相手にとっては脅威といえる。

また、5番には主に栗山巧、6番には今季3番をつとめていた外崎や山川が入るなど、下位打線を見ても気を抜けない。4番の中村が上位打線と下位打線をうまくつなぐことで、ますます打線に厚みがでている。

課題の三振も改善してきている

OPS(出塁率+長打率)も.881と高水準で、ポイントゲッターとしてしっかりとした結果を残している。そして、課題だった三振も改善が見られる。

ここまで、99個(全体5位)の三振を喫しているが、過去5年と比べると、三振率の改善がみられる。

過去5年の三振率ⒸSPAIA

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何打席に1回三振をするかという三振率は、数値が高いほど三振をしにくいバッターということになる。過去5年を比べると3点台が多く、一番優秀だった2017年でも4.12だ。今季はまだシーズン途中ながら、4.26と改善しているのだ。

今後、激しくなる順位争い、中村がこのまま4番で結果を出し続けることが逆転連覇の前提となってくる。シーズン後半でどのような活躍を見せてくれるか楽しみだ。

※成績は8月21日終了時点