コース紹介

札幌芝2000mは4コーナーのポケットをスタートして待ち受ける400mにも及ぶ長い直線で幕を開ける。2コーナーからも丸っこい平坦なコースを進んでいくクセのないコースで、位置取りに不利が出にくい夏のチャンピオンコースにふさわしい形態となっている。

当該コースの重賞は夏競馬の頂点として君臨する伝統の中距離重賞・札幌記念のみ。古くはエアグルーヴの連覇、ファインモーションやアドマイヤムーン、ハープスターなど現役最強クラスの馬が出走するスーパーGⅡとしての価値を保ち続けている(使用するデータは2010年8月21日〜2020年8月16日。なお以下文中の「札幌記念」は函館開催を除く)。

白帽の4連覇なるか

札幌芝2000m・過去10年の枠別成績ⒸSPAIA



枠別成績を概観すると8枠の不利が際立っている。単勝・複勝回収率もともに最下位と妙味にも乏しい。過去10年の札幌記念のうち馬券になった3頭は11年1着トーセンジョーダン(1番人気)・16年2着モーリス(1番人気)・18年3着モズカッチャン(4番人気)とGⅠクラスの実力と人気を集めている馬だった。狙いの穴馬が8枠に入れば再考した方がいいかもしれない。

複勝率が最も高いのは1枠で、コースロスのない立ち回りを武器にたびたび穴を開けている。16年以降の札幌記念では白帽が毎年馬券になっており、17年のレースを勝ったサクラアンプルールは6番人気とやや人気薄だった。

その後もサングレーザー・ブラストワンピースが連勝記録を伸ばしており、今年も好走に期待が持てる。なお札幌記念と相性がいいのは3枠だが馬券になった馬はほぼ全頭が人気を集めており、「3枠=穴馬でも買い」と即断しないことが重要だ。

札幌芝2000m・過去10年の脚質別成績ⒸSPAIA



脚質別の有利不利があまりなく、いたってフェアなコースだ。ただ、先行馬は2勝クラスで【14-8-14-37】複勝率49.3%とほぼ半数が馬券になっている点は見逃せない。ペースの関係上前目のポジションがより有利に働くことが理由だろう。札幌記念ではディサイファやサングレーザーなどが先行して好走している。

対照的に逃げで馬券になったのは16年1着のネオリアリズムぐらいで、後方勢に捕まえられて馬群に飲み込まれるシーンが繰り返されている。掲示板を確保することすら近年では珍しく、基本的には消しでいいだろう。

例年馬券になっている差しはもちろん、後方待機勢も注意が必要であろう。このように札幌記念は逃げを除いて脚質を問わない純粋な力勝負になりやすい点を押さえておきたい。

ハービンジャー産駒の連覇なるか

札幌芝2000m・過去10年の種牡馬別成績ⒸSPAIA



圧倒的に出走が多いディープインパクトだが、好走率も頭抜けて高い。最も結果が出ているのが札幌記念で、過去10年では【3-2-1-9】複勝率40.0%、単回は133%とプラスだ。さらに前走GⅠ組に限ると【2-2-1-4】複勝率55.6%まで上昇する。

現役馬は少なくなってきているものの、シンボリクリスエス産駒も買いたい種牡馬。札幌記念では結果が出ていないが条件戦で無類の強さを発揮しており、単回200%超えは類を見ない数字。過去10年でもレッドジェノヴァなど3頭がこのコースを勝ってオープン入りを果たしている。

また札幌記念に3頭を送り込むハービンジャー産駒も走っており、距離短縮組は【2-1-3-8】複勝率42.9%をマーク。前走は馬場に泣かされた感のあるペルシアンナイトが該当しており、ブラストワンピースに続く札幌記念連覇も夢ではない。

札幌芝2000m・過去10年の騎手別成績ⒸSPAIA



騎手別成績ではやはりルメール騎手が素晴らしく、ほぼ3頭に2頭を馬券圏内に導く屈指の安定感を見せている。さらに前走上がり最速に限定すると【5-5-4-3】複勝率82.4%と一段上の成績を残しており、札幌記念での好走例も数知れず。前走の札幌日経OPで上がり最速をマークしたポンデザールは買い目に入れておきたい。また札幌記念に騎乗はないものの、福永祐一騎手も人気馬を確実に連対させている。

先週の札幌で土曜5勝・日曜3勝と固め打った横山武史騎手は19年6月以降では【3-1-2-5】複勝率54.5%とルメール騎手にも引けを取らない騎乗ぶりだ。ただし前走から乗り替わりとなる場合は【1-1-0-17】で全幅の信頼は置きづらい。

前走函館記念を勝ったアドマイヤジャスタで北海道の中距離重賞総なめを狙う吉田隼人騎手は、18年以降【0-0-0-17】と苦戦傾向にあり。トーセンスーリヤに騎乗する横山和生騎手も【0-0-1-48】と買いにくい。

堀師の2頭出しを警戒

札幌芝2000m・過去10年の調教師別成績ⒸSPAIA



最多の9勝を挙げているのは藤沢和雄調教師。スティンガーでもコイントスでもダンスインザムードでも札幌記念はついに勝てなかったものの、2勝・3勝クラスを中心に勝利を積み重ねてきた。先日の新馬戦でもバニシングポイントがきっちり勝ち切っている。

ポンデザール・カウディーリョの2頭出しとなる堀宣行調教師はネオリアリズム・モーリスがワンツーを決めた16年の札幌記念が印象に残るが、同様に2頭出しだった12年もダークシャドウが連対しており、三度目の今回も警戒しておきたい。

関西の調教師では友道康夫調教師が上記の二人を上回る連対率をマークしており、前走GⅠ・GⅡ組は【1-2-0-1】と堅実だ。その他札幌記念に出走を予定している陣営では矢作芳人調教師の【0-2-6-39】連対率4.3%が気になる。

過去10年の札幌芝2000mで馬券になった馬のコース別成績ⒸSPAIA



最後に札幌芝2000mで3着以内に入った馬における、その他全レースの成績をコース別に紹介。同コースの複勝率4割超えが目を引くが、阪神・京都と関西圏の中距離戦線でも安定した走りを見せているのが持ち味だ。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。