43.8%が白スパイクを着用

センバツが中止となり、憧れだった甲子園でプレーできないという絶望感に打ちのめされてから、数か月──。交流試合という形で1試合のみという条件つきながら、センバツに出場予定だった32校が甲子園で戦った短い夏が終わった。

そんな甲子園でプレーした32校の高校球児は、どのような野球道具を使用していたのか、スパイク、グローブ、キャッチャー防具の3点に着目して分析してみた。

まずはスパイクについて見ていこう。高校野球では、これまで公式戦では黒のスパイクしか使用することができなかったが、2020年度から熱中症対策として白スパイクが解禁。センバツでその姿が見られるはずだったが、中止となったために甲子園では今大会が初めて披露される機会となった。

一般的に、熱を吸収しやすい黒よりも白の方が体感温度は低いとも言われているが、トレンドに敏感な高校球児たちなので、ファッションという観点からも白スパイクを導入する学校が多くなると予想した。

結果は32校中14校、43.8%の学校が白スパイクを着用。ヘルメットまたは帽子が白だった学校の中では、国士舘と倉敷商が黒スパイクを履いていたが、明豊、智弁学園、健大高崎、鶴岡東、智弁和歌山は白スパイクを選択していた。その他では、明徳義塾、天理、大阪桐蔭など名門校に加え、春夏通じて初出場だった平田と鹿児島城西の2校も白スパイクを履いてプレーしていた。今後も活躍するチームが増えれば増えるほど、白スパイクの人気は高まるのではないだろうか。

【白スパイクを着用していた学校】
明徳義塾、天理、平田、創成館、明豊、智弁学園、鹿児島城西、桐生第一、健大高崎、帯広農、日本航空石川、鶴岡東、大阪桐蔭、智弁和歌山

キャメル系グローブが人気

グローブにおいても、2020年からキャメル系のカラーが使用可能となった。メジャーリーグでは多くの選手に愛される人気カラーで、プロ野球でも山崎康晃(DeNA)が使用している。今回の交流試合で甲子園のマウンドに立った投手は73人。その中で、全体の19.2%にあたる14人がキャメル系のグローブを使用していた。

メーカー別ではミズノが10人と最も多く、明豊は若杉、楠、太田の3投手、鹿児島城西は八方、前野の2投手、日本航空石川は嘉手苅、田中の2投手と、この3校は登板した全ての投手がキャメル系のグローブだった。また、智弁和歌山でも大林と小林樹の2投手がミズノのキャメル系グローブを使用しており、複数名が使用していたチームは4校にのぼった。こうしたことからも人気の高さが窺い知れる。

その他のメーカーを見ると、ZETTは明徳義塾の新地、天理の庭野、倉敷商の福家の3人、SSKは大阪桐蔭の藤江1人のみという内訳だった。メーカー側のイチオシカラーだということもあるだろうが、ここでも最新のトレンドを取り入れたい高校球児の一面を垣間見ることができる。

ミズノとZETTのシェア争い

最後にテレビ中継で最も映りこむ時間が長いキャッチャー防具についても分析してみた。32校のスタメン出場したキャッチャーを対象にメーカー別シェアを調べた結果、50.0%(16校)がミズノの防具を使用していた。次いでZETTが31.3%(10校)、アシックスが9.4%(3校)、SSKが6.3%(2校)、ハタケヤマが3.1%(1校)だった。

甲子園出場校のキャッチャー防具シェア率ⒸSPAIA


近年はZETTが低反発素材を用いた完全フラットなプロテクターを開発、プロ野球でも人気だった影響から高校野球でも2018年の夏の甲子園では、41.1%と高いシェアを獲得していた。しかしミズノも、2019年のセンバツからフラットなタイプのプロテクターを提供し始め、同大会ではシェア率50.0%と高い人気を博した。その後2019年の夏はZETTが49.0%と巻き返し、ミズノは32.7%にダウンしていた。

今年は新型プロテクターが登場することはなかったが、今回の交流試合では再びミズノがシェア率トップに返り咲いた。ミズノとZETTによるキャッチャー防具のシェア争いはまだまだ続きそうだ。

【出場校のキャッチャー防具メーカー】
[ミズノ]
大分商、平田、県岐阜商、中京大中京、智弁学園、鹿児島城西、星稜、磐城、仙台育英、健大高崎、帯広農、東海大相模、尽誠学園、智弁和歌山、白樺学園、山梨学院

[ZETT]
明徳義塾、天理、創成館、加藤学園、国士舘、倉敷商、明石商、桐生第一、日本航空石川、鶴岡東

[アシックス]
広島新庄、明豊、履正社

[SSK]
鳥取城北、大阪桐蔭

[ハタケヤマ]
花咲徳栄

※スタメン出場した捕手が使用していたメーカー

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