先発が試合を作れない……12球団ワーストのQS率

3連覇を狙う立場ながら、未だ下位に甘んじている西武。過去2年、圧倒的な打力でパ・リーグを制してきたチームとあって、低迷の要因として打線の不調に目が向きがちだが、巻き返しのため最重要課題といえるのは先発投手ではないだろうか。

今季の西武投手陣は救援陣の働きぶりが光っている。平井克典、増田達至に加えて高卒3年目の平良海馬が急成長し、新加入のギャレットも予想以上の活躍と、勝率5割前後をキープしていた7月までは彼らを中心になんとかリリーフで凌いできた。

一方で、先発陣の調子が開幕当初からなかなか上がってこない。8月27日終了時点で先発防御率は両リーグワーストとなる5.17。もっとも、連覇を果たした昨季も先発防御率(4.64)はリーグワーストであり、先発ローテーションに弱みを抱えていたことは前年から変わらない。ただ、昨季までの先発陣が今季と違ったのは、失点を重ねながらも最低限試合を作ることができていたという点だ。

連覇を果たした過去2年のQS(6回3失点以内のクオリティスタート)率を見ると51.0%(2018年)、42.7%(2019年)となっており、いずれもリーグ平均を上回っていた。

しかし、今季のQS率はここまで12球団ワーストの31.6%。先発がなかなか試合を作ることができず、序盤で相手に主導権を握られる展開が目立っている。8月20日のオリックス戦では平井がプロ入り以来初の先発勝利を挙げたが、このサプライズ起用も緊急事態の証と言えるだろう。

後半戦の鍵を握る若手先発陣

一番の誤算といえるのが昨季12勝を挙げたニールの不振である。そこに加えて、先発陣全体としては開幕前から大きく期待を寄せられていた若手投手たちの出来が響いている。

今季は生え抜き25歳以下の若手投手が4人開幕ローテーション入りを果たした。22歳の今井達也、23歳の髙橋光成、松本航、24歳の與座海人である。

この中でニールに次ぐ勝ち頭として期待されていたのが、昨季7勝の今井だった。だが四球で崩れる癖が抜けず、8月からは一旦リリーフへ配置転換(先発復帰を見据えた再調整の目的も含めたものだと思われる)。髙橋は3勝を挙げたが防御率5.57と安定感を欠き、松本は1勝止まりと、まだ信頼は勝ち取れていない。7月にプロ初勝利を挙げたアンダースローの與座も8月は2試合続けて打ち込まれ、ローテ定着へ足踏みといった状況だ。

8月に入ると、それまで圧巻のリリーフを見せていたギャレットと平良の160キロコンビに疲れが見え始め、同時にチームも7連敗を喫するなど急激に負けが込むようになった。まだ120試合の折り返しにも到達していない時期だが、先発が不安定だった分、リリーフへ負担が集中してしまった面は少なからずあるだろう。

これから後半戦の戦いは、いかに先発ローテーションを立て直すことができるかどうかが浮上の鍵となりそうだ。特にドラフト1位入団の今井、髙橋、松本は、ここまでは期待に応えられていないが、菊池雄星退団後は不在の日本人エースを目指すべきポテンシャルを持った右腕である。彼らドラ1トリオがチームの命運を握る。

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