第1号は石嶺和彦、監督まで務めた金本知憲

プロ野球シーズンオフの話題であるはずのFA戦線が、今年は早くも取り沙汰されている。ヤクルト・山田哲人や中日・大野雄大、ヤクルト・小川泰弘らの今オフの動向に注目が集まっている。

これまでFA選手を最も多く獲得したのは26人の巨人。セ・リーグでは12人の阪神が2番目に多い。今回は阪神にFA移籍した選手を振り返ってみたい。

阪神にFA移籍した野手


阪神にFA移籍した野手は7人。第1号はオリックス時代の1990年に打点王に輝くなど長距離砲として活躍した石嶺和彦だった。1993年オフにFA宣言すると中日、西武との争奪戦になった末、阪神入りを決断。移籍1年目は17本塁打、77打点をマークしたが、徐々に成績が低迷し、1996年に引退した。

日本ハムでレギュラーとして活躍していた片岡篤史がFA宣言したのは2001年オフだった。日本ハムからは残留を要請されたが、就任したばかりの星野仙一監督に口説かれて阪神入りを決断。2006年に引退するまで在籍5年で通算打率.242、28本塁打、122打点をマークした。引退後は阪神の打撃コーチなどを務めている。

広島時代にトリプルスリーを達成するなど主力として活躍した金本知憲は、2002年オフにFA宣言して阪神移籍。翌2003年と2005年のリーグ優勝に貢献し、2004年には打点王、広島時代から継続していた連続フルイニング出場を世界記録の1492まで伸ばすなど、輝かしい足跡を残した。2016年からは3シーズン監督を務めた。

新井貴浩は広島に出戻り、藤井彰人と日高剛はコーチ就任

金本の後を追うように阪神入りしたのが新井貴浩だ。2007年オフ、残留か移籍かで悩み抜いた末に移籍を決断し、2011年に打点王のタイトル獲得するなど、在籍7年で通算打率.275、86本塁打、499打点を挙げた。2015年から広島に復帰している。

藤井彰人は近鉄がオリックスと合併した際の分配ドラフトで楽天入りしたが、嶋基宏に正捕手を奪われたため出場機会を求めて2010年オフにFA宣言。阪神では在籍5年で通算打率.231、4本塁打、57打点を記録した。現在は阪神の一軍バッテリーコーチを務めている。

オリックス時代に打てる捕手として活躍した日高剛は2012年オフにFAで阪神入り。在籍2年で通算打率.289、2本塁打、7打点の成績を残した。現在は二軍打撃兼分析担当コーチを務めている。

日本ハム、オリックスで俊足強打の外野手として活躍した糸井嘉男は、2016年オフに阪神にFA移籍。今季が4年契約の最終年となっている。

登板せずに引退した山沖之彦、星野伸之は3年で8勝どまり

阪神にFA移籍した投手は5人。現役は西勇輝のみとなっている。

阪神にFA移籍した投手


石嶺が加入した翌1994年オフに、同じオリックスからFA移籍したのが山沖之彦だ。阪急時代から通算112勝を挙げていた当時35歳の右腕にかかる期待は大きかったが、1995年に一度も登板しないまま引退した。

スローカーブと端正なマスクで人気だった星野伸之は、1999年オフにFAで阪神入り。それまで通算168勝を挙げていたが、阪神では在籍3年で8勝13敗にとどまり、2002年に引退した。引退後は阪神とオリックスでコーチを務めている。

小林宏之はメジャー挑戦を目指して2010年オフにFA宣言したものの、契約に至らず阪神移籍。移籍1年目は42試合に登板して1勝21ホールドを挙げたが、2年目の2012年は一軍での登板がなく退団した。2013年にもメジャー挑戦を模索したが、結局BCリーグの群馬入り。2014年に西武入りして同年限りで引退した。

中日時代に中継ぎ左腕として活躍していた高橋聡文は、2015年オフにFAで阪神移籍。在籍4年で9勝1セーブ42ホールドを挙げ、2019年に引退した。

阪神にFAで加入した12人のうち、半分の6人はオリックスからの移籍。距離的に近いため普段から情報が入りやすかったり、引っ越す必要がないなどの要因もあるだろう。

また現役2人を除く10人のうち、阪神で現役を終えたのが8人。再移籍の多い巨人とは対照的な数字となっている。

【関連記事】
・FAで断トツ最多の26人を獲得した巨人、移籍選手の「その後」は?
・2020年中にFA権取得見込みの選手たち、コロナ渦でやきもき?
・悲喜こもごも…プロ野球FA移籍に伴う人的補償選手一覧