ソフトバンク戦で無類の強さ

75試合を消化し43勝30敗2分けで貯金13。首位ソフトバンクにわずか0.5ゲーム差と好位置につけるロッテ。そんな好調なチームを攻守で支えているのが中村奨吾だ。

開幕時は6番、その後は2番や5番など打順を変えながらも与えられた役割をこなしてチームの勝利に貢献。7月の月間打率は.237と低迷するも8月に.326と盛り返し、チームも中村の打率向上と歩調を合わせるように上昇気流に乗った。

8勝3敗1分けと相性の良いソフトバンク戦では、打率.429、出塁率.529、12打点と活躍。球場別の成績を見ても、PayPayドームでは打率.357、出塁率.571と大暴れだ。9月4日のソフトバンク戦では、7回に勝ち越しの適時打。翌5日も先制の本塁打、逆転の適時打を放つなど3打点の活躍を見せ、首位攻防戦でのスイープに貢献した。

4日の試合後にソフトバンク戦の相性の良さを問われると、「毎打席、集中してやっているだけです」「積極的にいった結果がいい方向にいっているのかなと思います」と話していた中村。ソフトバンクとの直接対決は残り12試合も残しており、そのバットにかかる期待は大きい。

昨季苦手だった球種に対応

2番に座っていた時期は1試合で3つの犠打を決めるなどつなぎ役に徹していたが、5番に座ってからは勝負強い打撃を見せている。本拠地ZOZOマリンで行われた11日のオリックス戦では、先発の山岡泰輔に5回まで無安打と完璧に抑えられていたが、6回に2死一、三塁の好機を作ると、中村が先制の適時打を放った。

打ったのはカットボール。会心の当たりというわけではなかったが、打球はセンター前へ抜けていった。昨季の球種別打率でカットボールは.256と苦手にしていたが、今季は.333と打率が飛躍的に向上。同球種に上手く対応できていることが好機で発揮された。

カットボール以外にもいくつかの球種で昨季より打率が向上。昨季は直球に対する打率が.247だったが今季は.336。カーブの打率も.250から.500に向上している。また、昨季はフォークが.047、シンカーが.000と落ちる球を苦手にしていたが、今季はフォークが.167と改善傾向であり、シンカーにいたっては.375と打ち込んでいる。

ゾーン別データを見ると、内角高めが.417、内角中程が.400、内角低めが.286と内角に強いことがわかる。一方で外角中程は.234、外角低めは.158と苦手としており、外角の球にいかに対応するかが打率を3割に近づけていくためのポイントとなりそうだ。

元来、外角寄りの球を右方向へ運ぶのが上手い打者だが、打球方向データを見ると右方向は15%と低め(中堅、左方向はそれぞれ20%台)。外角球を引っかけずに右方向へ飛ばし始めれば、相手バッテリーにとって攻め所が難しくなるだろう。

積極性も特長のひとつ。カウント0-0の打率は.333、1-0は.444、0-1は.318と浅いカウントでの打率が高い。好球必打でどんどん振っていく姿勢は相手投手にとってプレッシャーになり、打線にも勢いをもたらす。

最も替えがきかないプレーヤー

今季は安田尚憲や和田康士朗、佐藤都志也ら若手の台頭もあり、外野を中心に競争が激しくなっているが、二塁・中村は現状で最も替えがきかないポジション。今季のタイトな日程の中で試合に出続けるだけでも大変だが、攻守でチームを牽引していることは間違いない。

派手さはないが、広角に打てる打撃や広大な守備範囲が特長な上、脚力もあり小技もできる。チャンスメーカーとしてもポイントゲッターとしても機能する中村は打線に欠かせないのはもちろん、いまやリーグ屈指の二塁手だろう。

残すは45試合。悲願のリーグ優勝を達成できるかどうか。攻守においてのキーマンは中村と言っても過言ではない。

※数字は2020年9月15日試合終了時点

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