打ち取ることは困難

今や日本球界屈指の巧打者となった日本ハムの近藤健介。巧みなバットコントロールや打席での粘り、勝負強さは健在で、今季も打撃各部門の上位にランクイン。打率.332(リーグ3位)、得点圏打率.365(同2位)、出塁率.470(同1位)、四球数73個(同1位)と堂々たる成績を残している。

特筆すべきは出塁率。昨季も.422をマークして自身初となる最高出塁率のタイトルを獲得したが、今季はシーズン半ばとはいえ、それを大幅に上回る.470。1986年に落合博満がマークした歴代最高出塁率.487も視界にとらえている。近年では、2018年に丸佳浩が.468、2015年に柳田悠岐が.469をマークしており、近藤がこれらを上回るかにも注目が集まる。

選球眼の優れた打者であることを示す指標BB/K(四球数÷三振数)は1.46(同2位)。三振をしにくい打者であることを示すPA/K(打席数÷三振数)は7.02(リーグ5位)。また、四死球によってどれだけ出塁したかを示すIsoD(出塁率−打率)は0.14(同3位)。これらの指標からも、いかに打ち取ることが困難な打者であるかがわかる。

昨秋開催されたプレミア12では決勝戦を含む8試合に出場し、選んだ四球は野手でダントツの9個。打率は.190ながらも出塁率.452をマークし、侍ジャパンの優勝に貢献したことも記憶に新しい。

内外高低どのゾーンにも満遍なく対応

どのゾーンの球も難なくさばいている印象があるが、それは数値にも表れている。ゾーン別データを見ると、外角高めの打率.412をはじめ、内外高低どのゾーンにも満遍なく対応。外角低めは.244と少々苦手としているが、外角中程は.389、内角中程は.395とハイアベレージを残している。どんな巧打者でも、ゾーンのどこかに弱点はあるものだが、近藤の場合には見当たらない。

また、広角に打ち分ける打撃も数値に表れている。打球方向データを見ると、左中間方向が23%と最多で、次に左翼と右中間が20%、中堅と右翼が18%という比率だ。状況に応じて引っ張ることもできるが、基本は中堅から左に無理なく打ち返す打撃を意識していることがうかがえる。

動く球に強いが、課題は落ちる球

球種別の打率を見ると課題が散見される。対フォークの打率は.069、対チェンジアップの打率は.261と落ちる球は苦手としている。その一方で対カットボールは.407、対ツーシームは.385と動く球には滅法強い。

外国人投手をはじめ、今は動く球を組み立ての中心とした投手が増えてきているが、それにアジャストしていけるのが近藤の強みだろう。また、現在は3本塁打であり、過去の成績を見ても本塁打数の多い打者ではないが、それは確実性を重視しているためで、しっかりととらえた打球は右にも左にも放り込む力を秘めている。

9月14日の楽天戦では、楽天の先発・塩見貴洋の低めのスライダーをとらえると、打球は左翼へ。狙いすましたかのようにコンタクトし、スピンのかかった打球はスタンドまで届いた。イチローは以前、「その気になればホームランはいつでも打てる」と言っていたことがあるが、近藤の技術をもってすれば同じことが言えるのかもしれない。

日本ハムはクライマックスシリーズ(CS)出場圏内である2位のロッテまで6.5ゲーム差。残り34試合でスパートをかけていくためにも近藤のバットが間違いなく鍵を握っている。

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