世界ランク14位、渋野抜き日本勢2番手

今季から国内女子ゴルフツアーにフル参戦し、ツアールーキーながら3勝を挙げる大活躍を見せたのが2000年生まれの「プラチナ世代」の代表格、20歳の古江彩佳だ。

渋野日向子、原英莉花ら1998年度生まれの「黄金世代」よりさらに若い世代で、来夏に延期された東京五輪の代表候補にも急浮上。11月29日まで行われた国内四大大会のJLPGAツアー選手権リコー杯で史上3人目の3週連続優勝は逃したが、2位で賞金1740万円を加え、生涯獲得賞金は1億円に到達した。20歳186日での達成は、宮里藍、横峯さくらに次ぐ若さだ。

12月1日付の世界ランキングで、古江は順位を二つ上げて14位に浮上し、一つ下げて16位となった渋野日向子を抜き、来年の東京五輪選出圏内となる日本勢2番手に入った。 日本勢トップの畑岡奈紗は7位で変動なかったが、鈴木愛は20位、稲見萌寧は59位。逸材ぞろいの新世代の中でも、ゴルフの堅実さと勝負強さを武器に頭一つ抜け出した形だ。

女子ゴルフ世界ランキング

15位以内で最大4人、東京五輪への道

東京五輪の女子ゴルフは2021年8月4日から4日間、埼玉・霞ケ関CC東Cで72ホールストロークプレーの個人戦で競う。

出場できるのは男女それぞれ60人。東京五輪への道は新型コロナウイルスの拡大で1年延期された影響でランキングの集計期間も1年延長。代表争いがさらに激戦の様相を呈している。

基本ルールは、2021年6月28日の時点で世界ランキングを基準に算定する五輪ポイント上位60人が出場権を得る。その上で

①五輪ポイント15位以内は各国・地域で最大4人
②16位以下は①の有資格者を含み最大2人が出られる
③アフリカ、アメリカ、アジア、ヨーロッパ、オセアニアの5大陸ごとに1人も出場資格を有する選手がいない場合、男女ともに最低1つの出場枠を保証
④大会ホスト国(日本)に出場資格を有する選手がいない場合、男女とも最低1つの出場枠を保証

といった規定がある。

つまり、五輪ポイントで仮に畑岡、古江、渋野、鈴木の4人ともトップ15位までに入れば、4人そろって日本代表として東京五輪に出場できる。それ以下なら2人が代表の枠となる。2016年リオ五輪で初出場した日本女子は野村敏京が4位、大山志保が42位だった。

平均ストローク、パーセーブ率、リカバリー率とも1位

身長153センチと上背のない古江の強さは今季のデータにも表れている。

平均ストロークは70.1064(14試合)で堂々の1位。2位の笹生優花のように圧倒的なパワーと飛距離を武器にするわけではないが、堅実さが光る。

JLPGAツアー平均ストローク


パーセーブ率は91.6049%(14試合)で1位。リカバリー率(14試合)も74.8837%でトップに立ち、これはパーオンしないホールでパーかそれより良いスコアを獲得する率である。ボギーを簡単に打たず、グリーン周りの技術も巧みなプレースタイルを数字が物語っている。

JLPGAツアーパーセーブ率


一方、イーグル数も6(14試合)で笹生と並んでトップと、爆発力も秘めているのが魅力だ。

JLPGAツアーイーグル数

次戦は初挑戦の全米女子オープン

神戸出身で3歳からゴルフを始め、兵庫・滝川二高時代には同級生の安田佑香らと団体戦で全国制覇2度。2019年10月の富士通レディースでアマチュア優勝してプロ転向。今年9月のデサントレディース東海でプロ初優勝を飾った。

古江が引っ張る「プラチナ世代」は今季初勝利を挙げた西村優菜のほか、安田祐香、吉田優利ら実力と人気を兼ね備えた注目の選手ばかり。渋野日向子を筆頭に、勝みなみ、原英莉花、畑岡奈紗、小祝さくらなどの実力者がそろう「黄金世代」を脅かすほどの活躍を見せているのだ。その中でも古江の堅実なショット力、勝負強さを生み出す「ゴルフ脳」は「プロ向き」の選手だといえそうだ。

こうした飛躍を支えるのが練習時間の長さ、スタート前のルーティンなど、しっかりした時間の管理にあるといわれる。

次戦は12月10日開幕の海外メジャー、全米女子オープン。初挑戦の舞台に自然体で臨めるか。東京五輪が見えてきたニューヒロインから目が離せそうにない。

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