大型馬、ロードカナロア産駒

1963年迎春賞という名ではじまった京都金杯。この京都金杯という名称になったのは1995年から。それまでは金杯(金盃)と呼ばれ、中山と京都の区別がなかった。

京都で行われる金杯が阪神施行だったのはたった2回、1980年(1着グレートタイタン)、94年(1着エイシンテネシー)のみ、中京施行は59回目にして初となる。当然京都金杯は過去10年すべて京都なので、今回は中京改修後9年間に行われた芝1600m戦、かつ古馬3勝クラス以上の12レースのデータを分析していく。

12年馬場改修後に新設された芝1600mは、2角に設けられたシュートからスタート。中山芝1600mと似た形状だが、2角への進入角度が同コースほどキツくないため、枠順のバイアスは少ない。

周回コースに入るとしばらく緩やかにのぼり、残り1000m地点から400m地点まで、ようは向正面後半から4角出口まで一気にくだる。下りきった途端に急坂が立ち上がり、残り200mは平坦。直線に入ってすぐに急坂を迎えるため、最後200mのほぼ平坦部分で脚があがる馬も多い。

馬体重別成績(過去9年)ⒸSPAIA


高低差が大きい中京競馬場は、中山競馬場や阪神競馬場と同様に坂適性が問われる。これが馬体重別成績にあらわれる。

500〜518キロが【5-2-1-22】勝率16.7%、複勝率26.7%でトップ。480〜498キロ【4-5-8-43】が次位なので迷ったら大きな馬という作戦はあながち誤りではないようだ。もっとも、3勝以上の上級クラスのマイラーは大型馬が多いわけだが。

しかし、500〜518キロは単勝回収値226で人気薄の激走が目立つ。勝利した5頭の人気は7、6、7、8、1番人気と中穴評価に甘んじた大型馬の激走が多い。上位人気で勝ったのは、20年9月3勝クラス納屋橋Sのシュリのみだ。

種牡馬別成績(過去9年※着度数トップ10)ⒸSPAIA


着度数別の種牡馬ランキングトップ10をみると、1位はロードカナロア【3-0-0-4】極端な数字ながら勝率42.9%は大きい。加えて単勝回収値は555。3、8、4番人気が勝利している。

この3頭の前走距離別成績を調べると、前走1600mは1頭(19年中京記念3人気グルーヴィット)、残る2頭は前走1400m(20年3勝クラス・トリトンS8人気ペプチドバンブー、20年リステッド・ポートアイランドS4人気ドナウデルタ)。このコースで前走1400mのロードカナロア産駒は要注目だ。

要注意は前走1400m、脚質・後方だった馬

距離延長がいいという話になったついでに前走との距離比較別成績をみてみる。

前走との距離比較別成績(過去9年)ⒸSPAIA


ロードカナロア産駒の成績とリンクするように、前走同距離組【5-5-6-66】勝率6.1%、複勝率19.5%より前走マイル未満の距離延長組が【6-3-2-42】勝率11.3%、複勝率20.8%で優勢。複勝率は距離短縮組の20%を含め大差はないものの、勝率は大きな開きがある。

単勝回収値も距離延長組のみ136と100超え。ただし1200mは【0-0-0-11】で、好走はすべて前走1400m。その勝ち馬の人気は5、6、5、1、8、4人気。単勝回収値は171。複勝回収値は100である。距離延長が嫌われて人気が落ちるようなら、かえって狙いだろう。

脚質別成績(過去9年)ⒸSPAIA


急坂があり、最後の200mで逆転劇が起こりやすいコースであるため、位置取り別成績のトップは後方【5-3-6-41】勝率9.1%、複勝率25.5%。脚質別成績は基本的に先行馬が有利と示すものだが、この条件では後方組が逆転するのは興味深い。

これは逃げ、先行馬がスピードに乗りたい前半が上っているのに対して、差し、追い込み馬が勢いをつけたい4角あたりが下っているという独特のコース形態が影響したものといえる。先行馬も【3-5-2-32】勝率7.1%、複勝率23.8%と悪くはないものの勝ちきれない。

軸は先行馬もアタマは差し、追い込みという馬券作戦は面白そうだ。後方の単勝回収値は117、その人気は5、7、7、1、8人気。距離延長同様に先行しなさそうというのも嫌われやすい要素だが、中京マイルではむしろ買いだ。

前走脚質別成績(過去9年)ⒸSPAIA


そのレースで後方から競馬するかどうかという手がかりは前走脚質別成績にあるが、ここでも後方は【6-1-4-34】勝率13.3%、複勝率24.4%。前走ですでに後方だった馬が後方から競馬し、激走するわけだ。これも単勝回収値は166で5、5、7、5、1、8人気の6勝。前走後方だった馬を積極的に評価したい。

馬体重500キロ以上、ロードカナロア産駒、前走1400m、前走後方。こういったデータに合致する馬を中京芝1600mの高額条件ではガンガン狙いたい。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

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2020年京都金杯データインフォグラフィック