外国籍選手の受賞はオルンガで10人目

Jリーグアウォーズが12月22日に開かれ、今季得点王のケニア代表FWオルンガ(柏レイソル)が、年間最優秀選手賞に輝いた。アフリカ人選手としては初、外国籍選手としては2011年の同じくレイソルのレアンドロ・ドミンゲス以来、9年ぶりの受賞だった。

そこで気になったのが、過去のMVP受賞者の経歴。日本人選手は高校サッカー出身、Jクラブユース出身、それとも大学出身の中でどれが多いのか。はたまた外国籍選手が多いのか。この機会に、初年度1993年から2020年までの28人のMVP受賞者を振り分けてみた。

Jリーグの歴代MVP


最も多かったのは、共に計10人だった外国籍選手と高校サッカー出身選手。外国籍選手のMVPは、前記のとおり今季、久しぶりに誕生。これは日本人選手のレベルアップも考えられるが、海外の助っ人が昔と比べて、“小粒”になった影響かもしれない。

その証拠に1994〜97年まではペレイラ(ヴェルディ川崎)、ストイコビッチ(名古屋グランパスエイト)、ジョルジーニョ(鹿島アントラーズ)、ドゥンガ(ジュビロ磐田)と、ワールドクラスの選手が4年連続で受賞している。その後の外国籍選手の連続受賞は2007、2008年のポンテ(浦和レッズ)、マルキーニョス(アントラーズ)のみ。

また、オルンガとストイコビッチ(旧ユーゴスラビア)以外、ブラジル人8選手が獲得しているのは、同国から数多くの選手が渡ってきたJリーグの歴史に起因するだろう。

栄光を2度手中に収めた中村俊輔

部活に所属した高体連出身の選手は、横浜F・マリノスの中村俊輔が2000年と2013年の2度受賞しているため、厳密には延べ10人になる。

片やユース出身の受賞者は、2012年の佐藤寿人(サンフレッチェ広島/ジェフユナイテッド市原ユース)、2018年の家長昭博(川崎フロンターレ/ガンバ大阪ユース)の2人だけ。

ユースを経て大学に進学した選手も、フロンターレU-18から専修大へ進んだ2019年受賞の仲川輝人(F・マリノス)のみだった。MVPに限って言えば、高校サッカー経験者がユース経験者を圧倒している。

例外なのが初代MVPの三浦知良(ヴェルディ)。静岡学園高1年時に中退し、ブラジルへサッカー留学した。2004年受賞の中澤佑二(F・マリノス)は高校出身者ではあるが、埼玉の三郷工業技術高卒業後にプロになれずブラジル留学し、帰国後にサクセスストーリーを歩んだ。

逆にブラジル人留学生として来日し、高校サッカーを経験したのが、清水エスパルスの三都主アレサンドロと浦和レッズの田中マルクス闘莉王。それぞれ日本での苦労が報われ、三都主は帰化前の1999年にアレックスの登録名で、闘莉王は帰化後の2006年にそれぞれMVPを手にした。

大学出身者は計5人と少なめだが、ここ5年では2016年の中村憲剛(フロンターレ/中央大卒)、2017年の小林悠(フロンターレ/拓殖大卒)、2019年の仲川(専修大卒)と3人が受賞。今季、新人ながら大ブレイクし、MVP候補に名前が挙がった三笘薫(フロンターレ)も筑波大卒のドリブラーだ。昨今、大学出身者の存在価値が見直されている。

GKの受賞はグランパス楢崎正剛のみ

ほかのデータも紹介しよう。今回オルンガは史上最も低い順位の7位チームからMVPに選出されたが、1998〜2001年も中山雅史(ジュビロ)、アレックス、中村、藤田俊哉(ジュビロ)と4年連続で優勝チーム以外の選手が受賞した。なお、優勝チームからの受賞者は過去28年で18人いる。

ポジション別では、プレーがゴールに直結するFWが最多かと思いきや、ボランチも含めたMFが13人でトップ。FWは10人、DFは4人、GKでは唯一、楢崎正剛(グランパス)が2010年に獲得している。

最後にチーム別ではドゥンガ、中山、藤田、高原直泰と2000年前後に黄金期を築いたジュビロが4人と最多。F・マリノスは中村の2度の受賞があるため、延べ4人になる。アントラーズ、レッズ、フロンターレが各3人とそれに続いた。

もうすぐ30年を迎えるJリーグ。MVPの歴史を紐解くだけでも、いろいろな傾向が見えて楽しめる。来年、MVPに輝くのはどの選手だろうか。

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