グリーンは手前から奥に上っている

ゴルフにおけるコースマネジメントでは、ピンやグリーンの奥は避け、極力手前から攻めるべきと言われている。グリーンの形状やピンポジションによっては奥の方が良い場合もあるが、基本的に手前から攻めた方がスコアメイクに繋がりやすい。その理由を2つ挙げる。

グリーンは基本的には手前から奥に向かって上っている。ということは、手前からは上りのラインになる。

アプローチもパットも上りのラインの方が狙いやすい。下りだと打ち方の強弱で転がり過ぎたり下らなかったりと、力加減が難しい。また、下りに向かって打つアプローチはインパクトのゆるみにつながり、ミスも出やすい。

今年の開幕戦ダイキンオーキッドレディスでは、優勝争いをしていた西郷真央が17番ホールのグリーン奥からのアプローチに苦労していた。3日目はショートして3メートルの下りのパットを残し、カップを大きくオーバー。結果3パットでダブルボギーとなった。

最終日は下りのライかつグリーンエッジからピンまでの距離が短く、より繊細なショットを求められる状況だった。やわらかく打とうとしたがダフってグリーンに乗らず、結果このホールではボギーとなり優勝争いから後退した。

米ツアーでも公式採用されているマーク・ブローディ氏(SG「ストローク・ゲインド」指標の生みの親)の著書「ゴルフデータ革命」には、各距離ごとの上りと下りの「1パットの確率」「3パットの確率」「平均パット数」が掲載されている。ここから、5フィート(約1.5メートル)と20フィート(約6メートル)のデータを抜粋した。これを見ると、上りのよりも下りのパットの方が難しいことがわかる。

米ツアー選手のパッティングデータⒸSPAIA


グリーン奥は難しいライになることが多い

手前に比べ、グリーン奥は難しいライになることが多い。長いラフ、逆目のラフ、芝が薄い(下の土が見えるような)ライの場合があるからだ。

例えば、長いラフだとボールが浮いてダルマ落としのようになり距離が出ない。逆に沈んでいると芝の抵抗に負け距離が出ず、抵抗に負けないように強くヒットすると距離が出過ぎてしまう。

順目のラフだとボールの少し手前にクラブヘッドが入っても、ソールが滑りボールとうまくコンタクトできる。だが、逆目だと同じ状況でもクラブヘッドが芝につっかかり、距離を出すことができない。

また、グリーン奥はホールを区切る木々が陽当たりを妨げているため、芝が薄く剥げていたり、土がむき出しになっていることもある。

渋野日向子が優勝争いした昨年の全米女子オープン最終日、ピンチが訪れたのはパー5の5番ホールだった。3打目がグリーンを大きくオーバーしたため、4打目で芝が薄い土の上からグリーンに打ち上げるショットを強いられた。

ここで渋野は、球を上げるためにフェースを開きながら完璧なインパクトを披露し、見事ピンに寄せパーを拾った。これは地元メディアから「パーセーブオブザイヤー」と呼ばれるほどのショットとなったが、裏を返せば渋野にとっては絶対絶命のピンチだった。

このようにグリーンの奥は手前に比べて、難易度の高いショットを強いられることが増えるのだ。

手前から攻めるとリスクが小さい

「リスクを回避しながらプレーをする」がコースラウンドでの基本で、その回避方法の一つが「手前から攻める」だ。スキルレベルが高くないゴルファーは、これを念頭に置きプレーすると良いだろう。

「期待せずに大きめの番手でショットした時ほど、会心の当たりでグリーンをオーバーしてしまった」「グリーン周りからピンを狙う際に思いのほか強くヒットしてしまい、ピンをオーバーするどころかグリーンを超えて難しいライのところまで転がり落ちてしまった」などをきっかけに、1ホールで大叩きをしてしまうゴルファーもいるだろう。

どんな状況下でも平静を保ち、リスクを抑えてプレーしたいところだ。

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