今季も欠かせない仕事人

ここまで29試合を消化し、20勝9敗でリーグ首位を走る阪神。その大きな原動力となっているのが、岩貞祐太、岩崎優、ロベルト・スアレスが形成する勝利の方程式だ。

4月25日に甲子園球場で行われたDeNA戦では、岩貞が失点を喫して一時は逆転をされる苦しい展開となるが、再びリードした後に登板した岩崎とスアレスは、それぞれ無失点に抑え、チームに勝利を呼び込んだ。岩崎は1死一、二塁のピンチを招いたが、落ち着いたマウンドさばきで後続を断ち切り、相変わらずの仕事人ぶりを発揮した。

どの球種でも三振が取れる

岩崎と言えば、下半身主導の粘りのある投球フォームで球持ちがいいことが特長。今季の直球の平均球速が139.6kmでもわかるように球速自体は速くないが、浮き上がるような直球は体感速度が速く打者は振り遅れる。ストライクゾーンから大きく高めに外れた球でも手を出してしまうのは、伸びがある証拠だ。

ただ、今季は直球の被打率が.316と昨季の.200に比べて悪化。打者が対応してきた部分もあると考えられるが、今後夏場に向けて気温が上がって体のキレが出てくれば、直球の被打率も改善されていくはずだ。

一方、変化球は優れた数字を残している。左打者への投球割合が多いスライダー(36.6%)は、被打率.000と今季は安打を許していない。右打者への投球割合が多いチェンジアップ(27.3%)は被打率.125と抜群だ。奪空振率を見ても、スライダーは16.1%、チェンジアップは17.2%と高く、いざという時に三振も取れるのが強みだ。

低めへの配球を徹底しリスクを回避

SPAIAのゾーン別データを見ると、低めへの配球を徹底。特に左打者に対しては徹底して外角低めを攻めており(36.3%)、同ゾーンの被打率は圧巻の.000。スライダーがいかに機能しているかが証明されている。

岩崎優のゾーン別データⒸSPAIA

ⒸSPAIA


右打者に対しては内角低めが最も多く(27.3%)、次に多いのが外角低め(17.2%)。外角低めへのチェンジアップも効いていて、同ゾーンの被打率は.143だ。また、ベルト付近の高さの球の割合は少なく、右打者にも左打者に対しても投球割合が10%を超えるゾーンがほとんどない(対右打者の外角のみ10.1%)。走者を背負う場面での投球でも安心して見ていられるのは、こうした配球が裏付けとなっている。

直球を含めたどの球種でも三振が取れ、徹底的にリスクを回避する低め中心の配球。そして、どんな状況でも乱れることのない冷静なマウンドさばき。試合終盤の火消し役として、実に頼りになるセットアッパーだ。

現在チーム防御率は2.74でリーグトップ。岩崎も防御率0.79と安定感抜群だ。長いシーズンにおいて打線は水物ゆえに、阪神のリーグ優勝のカギはリリーバーが握っていると言っても過言ではない。岩崎、岩貞、スアレスを中心とした勝利の方程式がシーズンを通じて機能したとき、16年ぶりのリーグ優勝へ近づくだろう。

※数字は2021年4月30日試合終了時点

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