今年は超高速馬場の小倉芝1800mが舞台

先週のプロキオンSも中京ダ1400mから小倉ダ1700mと大きな条件変更だったが、中京記念も中京芝1600mから小倉芝1800mに変更。芝1800m時代の北九州記念のような舞台設定となった。

小倉芝1800mでは、今夏の開幕日の3歳未勝利戦でレコードタイムが更新されたが、従来の小倉芝1800mのレコードタイムは、2004年の北九州記念(優勝馬ダイタクバートラム)の1分44秒1。小倉開幕週で行われていた北九州記念は、良馬場ならばとても時計の速い決着で、内と前が有利。差し馬はよほど速い脚で上がって来られる馬しか通用していなかった。

今夏の小倉芝も開幕週でレコード決着が連発したほどの「超々絶」高速馬場。ひと雨降った先週でも十分に高速馬場だっただけに、外差し馬は割引が必要だ。また 超高速馬場だと、前走で長い距離を使っている馬は置かれ気味で追走に苦労しがちになるので、なるべくなら距離短縮馬を狙いたいもの。

能力値1〜5位馬を紹介

中京記念出走馬のPP指数,インフォグラフィック,ⒸSPAIA


【能力値1位 ボッケリーニ】
昨年12月の中日新聞杯で重賞初制覇を成し遂げ、今年2月には今回と同じ小倉芝1800mの小倉大賞典で2着。小倉大賞典は時計の掛かる馬場状態の中、前へ行ったトーラスジェミニとディアンドルがペースを引き上げ、3番手以下を離したことで、ボッケリーニは好位の外ながら、実質差しの後半型の競馬だった。

ラスト1Fで前がバテたことで、3番手でレースを進めたテリトーリアルとのクビの上げ下げの決着でハナ差。展開に恵まれたことで、中日新聞杯と同等指数「-21」を記録した。

前走の新潟大賞典は、かなりタフな馬場でマイスタイルが後続を引き離して、前半5F57秒1のクレイジーな逃げ。このレースでも好位でありながら実質差しの競馬だったが、結果的には同馬よりも後方で脚をタメた馬たちに差される形での5着となった。ゴール手前でトーセンスーリヤと接触して下がる不利がなければ4着はあったと見ているが、どのみち馬券圏内は厳しかった。

同馬は高速馬場で超絶スローペースとなった昨年12月の中日新聞杯を、好位の内で脚をタメて、直線で外に持ち出すとメンバー最速の上がり3Fタイムで優勝しているように、高速馬場でこその馬。楽に前の位置が取れるほどスピードがある馬ではないので、あまりに高速馬場になり過ぎた場合や外目の枠は不安だが、重い印は打ちたい馬だ。


【能力値2位 ディアンドル】
今年2月の小倉大賞典ではトーラスジェミニとともにペースを引き上げたために、ボッケリーニに外から差されたが、同馬と0.2秒差の3着ならば立派。前々走の福島牝馬Sは、同型馬のロザムールが同馬を行かせて2列目を狙ったことで、マイペースの逃げ切りV。マイペースの競馬ができると強い馬だ。今回も楽にハナを狙える組み合わせで、高速馬場であることも好材料。しかし、GⅠ・ヴィクトリアマイル後の一戦で、1Fの距離延長ということもあり、スタミナ面と折り合い面に不安が残る。


【能力値3位 ロータスランド】
今年3月末に1勝クラスを制し、その後、2勝クラスと格上挑戦の米子Sも連勝と、勢いはメンバー中でも屈指。前記の3連勝は標準より時計の掛かる馬場でのもの。特に前走の米子Sはタフな馬場で緩みない流れを先行して完勝と強い内容だった。前走の走りができれば、ここも上位争いに加われるだろう。 しかし、「格上挑戦、次走はいらず」という格言があるように、格上挑戦して激走した馬の次走は狙いにくいもの。目一杯仕上げて、目一杯のレースをした後の一戦となるだけに、中間で楽をさせていることが多く、さらなる相手強化となると狙いにくい。また、高速馬場にも不安がある。


【能力値4位 アンドラステ】
これまで重賞に5回挑戦して、そのうち4回が4着以内という善戦マン。唯一、10着に敗れた3走前の京成杯オータムHは、内と前の決着で中団の中目を追走。後半で速い脚が求められた中、3〜4角の内で進路がなく、後方列まで位置を下げ、ラスト1Fまで進路がない状態で10着に敗れたもの。

前々走のターコイズSでは、好位の内目でロスなく立ち回り、最後に勝ち馬スマイルカナとの差をハナ差まで詰めたが、惜しい2着。前走のマーメイドSは2Fの距離延長で行きたがって折り合いを欠いたことや、終始外を走ったことで、最後の坂で脚が止まってしまっての4着。初めての芝2000m戦だったことを考えれば悪くはないが、芝1600mでも追走に苦労している時があることを考えると、芝1800mがベストのはず。距離替わりのここは重い印を打ちたい。


【能力値4位 カテドラル】
3走前の東京新聞杯、前々走のダービー卿チャレンジTともに2着。3走前はダイワキャグニーが最内枠から無理目に出して逃げて、スローよりの平均ペースになった中、中団の内で脚を温存し、3〜4角でも内を通して、直線で外に出すと一気に伸びて、ラスト2F目では先頭列に並びかけ、抜け出すかの好内容。しかし、内から来たカラテにアタマ差出られてゴールイン。惜しくも重賞初制覇を逃した。

前々走はマイスタイルがスタートから押して主導権を主張し、速い流れ。前が崩れたことで展開に恵まれたが、4走前のキャピタルS時のように、勝ちに行かなければ、大崩れせずに走れる点が魅力。前走のGⅠ・安田記念は超高速馬場でロスが許されない状況の中で出遅れ、3〜4角の外々からの競馬となったのも敗因のひとつだが、そもそも相手が強すぎた。しかし、前走で無理をさせなかったことで、ここへ向けての余力が残せたはず。今回は相手弱化で速い末脚でも上がってこられるだけに、同馬にも重い印を打ちたい。

穴馬はダノンチェイサー

ダノンチェイサーは3走前の信越Sでは、新潟芝1400m戦を楽に好位の内目で立ち回って3着。前々走から1Fの距離延長となった前走の東風Sでは、9着大敗を喫したものの、これはかなりかなりタフな馬場でかなり速い流れを、外枠から勝ちに行く競馬をしたため。

同馬は芝1400mでも通用するスピードがあり、芝1800mのきさらぎ賞を勝利し、高速馬場の小倉日経賞でボッケリーニ(2着)と0.1秒差(3着)に好走していることから、小倉芝1800mの超高速馬場はベスト条件と見る。重賞勝ち馬だけあって、ハンデは56㎏と重いが、2番枠を引き当てた今回は、内々、前々の競馬で一発に期待。

※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ボッケリーニの前走指数「-18」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも1.8秒速い
●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート
●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補

ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。