3着内馬の半数が4角3番手以内

今週末に唯一行われる平地重賞、クイーンS(GⅢ・芝1800m)。例年は札幌開催の開幕週に行われているが、今年は変則開催の影響で函館開催10日目の施行となる。前走ヴィクトリアマイル組が順当に好走するのか、それとも別路線組から伏兵の台頭があるのか、馬場適性の観点から占っていく。

先週の函館競馬場は天候に恵まれ、雨は全く降らなかった。そうしたこともあり、土曜日はクッション値7.4、ゴール前の含水率13.0%、日曜日はクッション値7.6、ゴール前の含水率は12.0%と今夏の開催4週目にして最も乾燥した馬場状態だった。

芝コースで行われたレースの勝ちタイムを見ると、日曜日の3歳上1勝クラスの1800m戦で1:47.8、2000mの2勝クラス・北海ハンデキャップで1:59.9、1200mの2勝クラス・立待岬特別で1:08.7。開催が進んでいるにも関わらず、それなりのタイムが出ていたと言える。

脚質成績では、3着内に入った全42頭中4角3番手以内の馬が50.0%を占めており、先行有利の傾向は強かった。しかし、1800m以上のレースにおけるラスト2ハロンのレースラップでは、先々週と比較して明らかな違いが見られた。

先々週はラスト2ハロン目が11秒半ば、そしてラスト1ハロンが11秒後半から12秒前半と極端に落ち込むことはなかったが、対する先週末は7レース中6レースでラスト1ハロンが12.5以上かかっており、よりタフなコンディションになっていた。

今週からBコースに変わり、内ラチ沿いの馬場が傷んでいる箇所が保護されるため多少改善される可能性もあるが、上がりのかかるタフな馬場での好走実績がある馬に向く馬場となりそうだ。

函館コースは歓迎

馬場傾向を踏まえた上で今回ピックアップするのはマジックキャッスル、ドナアトラエンテ、クラヴァシュドール、サトノセシルの4頭。本命候補には馬名の前に☆をつけている。

2021年クイーンSの馬場適性チャート,ⒸSPAIA


【マジックキャッスル】
今回の出走メンバーの中ではヴィクトリアマイル組の最先着馬。阪神牝馬Sのように32秒台の瞬発力が求められるレースにも対応しているように高速決着に強い印象も受けるが、秋華賞のように上がりのかかる内回りコースでも好走できる器用さも併せ持っている。しかし、先週の函館芝コースのようにラスト1ハロンが極端に遅くなるタフな馬場になれば、末脚が削がれて届かないということもあり得る。

【☆ドナアトラエンテ】
3走前の初富士Sは重馬場でのレースとなったが、ラスト2ハロンのレースラップが12.7-13.7と落ち込む流れを3番手から抜け出して勝利している。瞬発力勝負になる舞台なら一線級には及ばないが、今の函館の馬場を考えるとこの馬に向く流れとなりそうだ。

【クラヴァシュドール】
器用さのあるタイプではないので、コーナー4回の競馬がどうかという点が不安要素ではあるが、3歳春までの実績を見ると持っている能力は高い。阪神JFはラスト2ハロンが11.5-12.5、チューリップ賞は10.9-11.8、前走の米子Sは11.9-12.7というレースラップで差を詰めて馬券圏内に入っている内容からも押さえておきたい。

【サトノセシル】
開幕週に行われた前走の洞爺湖特別は逃げ切り勝ち。4着に敗れたイカットもその後のかもめ島特別を勝利しているように、レベルは低くなかったと言える。同型のシャムロックヒルも出走してくるが、マーメイドSはハンデ50kgでスローペースの逃げ。今回はこちらのサトノセシルが逃げると想定する。Bコースになること、先週末は逃げ馬が馬券圏内に多く残っていたことからも穴候補として推奨する。


ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。

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