ヴィクトリアマイル組が好成績も配当妙味は微妙

8月1日(日)に函館競馬場で行われるクイーンS(GⅢ・芝1800m)。ヴィクトリアマイル3着のマジックキャッスルをはじめ、名牝ジェンティルドンナの全妹ドナアトラエンテ、重賞2勝のフェアリーポルカなど少頭数ながら好メンバーが揃った。今年は変則開催の影響で札幌ではなく8年ぶりに函館で行われるが、参考にできそうな過去の傾向等も気にしつつ予想していきたい。


過去5年クイーンS好走馬前走成績,ⒸSPAIA


まずはクイーンS3着内馬の前走成績について見ていく(過去5年)。最も好走馬が出ているのはヴィクトリアマイル組で【1-2-2-5】だが、好走馬は全てヴィクトリアマイルで7着以下に敗れていた。そもそもヴィクトリアマイル上位馬でクイーンSに出走してきたのはアドマイヤリード(クイーンSでは6着)だけなのであまり参考にならない面もあるが、着順は基本的に気にしなくていいだろう。

ただヴィクトリアマイル組は人気になるのが難点。10頭中9頭が4番人気以内に支持されており、人気の割に好走率は高くないという見方もできる。相手としては外せないが買い方に注意が必要だ。その他の前走については、マーメイドSや中山牝馬SなどのGⅢや海外GⅠ、オープン特別など様々なレースから好走馬が出ている。視野を広く持って予想することが馬券的中の鍵だろう。


種牡馬別成績は?

2016年以降函館芝1800m種牡馬別成績,ⒸSPAIA


次に種牡馬別成績を見ていく。2016年以降の函館芝1800mで勝利数が最も多いのはディープインパクトで【12-10-10-71】。15回以上の出走があった中で勝率トップは16.0%のダイワメジャー【4-3-2-16】、連対率トップは30.6%のルーラーシップ【6-9-8-26】。複勝率トップは50.0%のゴールドシップ【2-1-5-8】となっている。ここに挙げた4頭の種牡馬は好相性と言って良さそうだ。


人気が落ちた今こそ狙い目!ウインマイティー

冒頭でも述べたが、今年のクイーンSは函館開催。そのため過去の傾向分析は参考程度にして予想に入っていきたい。

本命はウインマイティー。近走は結果が出ていないが、昨年のオークス3着馬で地力があるのは証明済み。4走前の紫苑Sは先行馬が残る展開の中、コーナーで大外を回して追い込んでの6着。タイム差は0.3秒しかなくロスや展開不利を考えれば一番強い競馬をしていた。

3走前の秋華賞は直線であまり伸びない位置を通り、さらに両側から来られて委縮してしまったのも影響したようだ。その後も怖がって止めてしまうところがあったようで、エリザベス女王杯は14着と着順的には大敗だが4着馬とは0.7秒差で意外と離されていない。愛知杯は外を回した追い込み馬が上位を占める中、内枠から先行したので厳しかった。ここは間隔をあけて精神面もリフレッシュされているようなので、巻き返しの可能性はあるはずだ。

また前述の通りゴールドシップ産駒は函館1800mで【2-1-5-8】複勝率50%と好成績で、今回の条件はドンピシャ。3歳時の実績からしても、復調の兆しが見えれば次走以降は人気になりそう。ならばまだ人気が落ちている今回で先物買いすべきとみて本命に推す。

対抗はドナアトラエンテ。前走の福島牝馬Sでは前残りの中、中団からいい脚を使ってハナ差の2着。ほぼ勝ちに等しい内容で重賞でも十分通用することを示した。またデビュー以来馬券圏内を外したのは極悪馬場だった中山牝馬Sのみであり、抜群の安定感を誇るのも心強い。基本的にはスタートを決めて先行できるタイプだが、時々出遅れてしまうこと、常に上位人気(今まで全てのレースで1番人気)の割に取りこぼしが多く旨味に欠けるため2番手としたが、勝ち切っても全く不思議はない。

3番手はマジックキャッスル。秋華賞2着、ヴィクトリアマイル3着もある重賞ウイナーで、実績はこの中でも最上位。実際昨秋からの安定感は抜群で力をつけてきている。ただ差し追い込み脚質のため、中央の競馬場で直線が一番短い函館コースが合うとは考えにくい。取りこぼす可能性も見て3番手にとどめるが、馬券圏内という観点での信頼度は高く、3連複の軸には向いているタイプだ。

4番手にテルツェット。前走のヴィクトリアマイルでは14着に大敗したが、超高速馬場に対応できず力を出し切れなかった印象。ただ、勝ち馬のグランアレグリアにこそ離されたが、2着馬とは0.7差で最後は追っていないことを考えるとさほど負けてはいない。前走の競馬を見る限り1800mへの延長は悪くなさそう。重賞勝ち馬で能力は高いので相手には入れておきたい。

5番手はフェアリーポルカ。ここ2走はダートを使っているが、流石に芝の方が合っている。昨年には牝馬限定重賞を2勝しており、ルーラーシップ産駒の函館での成績もよい。ただ、重賞勝利時は軽ハンデで斤量が重くなるとワンパンチ足りない。今回56kgを背負わされるのはマイナスで3着候補にとどめたい。

穴馬ではサトノセシルを挙げたい。前走は2勝クラスの洞爺湖特別だったが、半年の休み明けにもかかわらず逃げて後続を完封する強い内容だった。今回は格上挑戦となるが、逃げたい馬が前走ダートのローザノワールくらいしか見当たらないのでスムーズに先行できそう。後方の人気馬に意識が向けば粘り込みがあってもいい。2年前には3勝クラスの馬が3着に入ったこともあり、格上挑戦でも勢いと叩いた上積みで上位に食い込む可能性は十分にある。

シゲルピンクダイヤは前走ヴィクトリアマイルで5着。コース相性のいいダイワメジャー産駒だが気分屋過ぎるのが難点。ゲート入りでゴネることも多く、上位人気が想定される今回はリターンよりリスクの方が大きい。買い目が多くなりすぎないよう、ここは消しとしたい。

買い目は◎ウインマイティーの単勝と馬連◎−◯▲△☆が本線。ウインマイティーは負ける時には大きく崩れるタイプなので3連複2頭軸◯▲−◎△×☆も押さえておく。(文:川崎)

▽2021クイーンS予想印▽
◎ウインマイティ―
◯ドナアトラエンテ
▲マジックキャッスル
△テルツェット
×フェアリーポルカ
☆サトノセシル

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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