オリックスは張奕や榊原翼、通常ドラフトで山本由伸

今年のプロ野球ドラフト会議は10月11日に開催される。上位指名確実な有力選手だけでなく、下位指名や育成ドラフトの指名選手も重要だ。アマチュア時代の実績だけで測れない秘めた素質がプロで大きく花開く場合もあるからだ。

最近は育成出身の大物選手も珍しくなくなった。スカウトの眼力はもちろん、育成する球団の環境はますます重要になっていくだろう。一軍で活躍する選手の多い2016年育成ドラフトを振り返る。

2016年育成ドラフト指名選手の通算成績


5人指名したオリックスは当たり年だったと言える。1巡目は日本経済大の張奕。台湾出身だが、7歳年上の従兄・陽岱鋼(現巨人)が通っていた福岡第一高に進学し、大学では外野手としてプレーした。

2018年に外野手登録ながら投手に転向すると、翌2019年に支配下登録され一軍デビュー。8月に初勝利をマークするなど2勝を挙げた。同年のプレミア12には台湾代表として出場。今季も一軍で8試合に登板し、3ホールドを挙げている。

2巡目は浦和学院高の右腕・榊原翼。2018年に支配下登録され、2019年4月にプロ初勝利を挙げるなど、先発で3勝4敗の成績を残した。最速150キロを超えるストレートと平均108キロのカーブを駆使した緩急自在の投球で今後の成長が期待されている。

3巡目は立正大の右腕・神戸文也。2019年に支配下登録され、同年は19試合に登板して5ホールドを記録した。落差の大きいフォークを武器にプロ初勝利が待たれる。

4巡目はBCリーグ石川の坂本一将。堅実な守備を評価されたが、一軍で出場することなく2018年オフに戦力外となった。5巡目の明治大の捕手・中道勝士は入団直後に潰瘍性大腸炎が判明し、1年で戦力外となった。

同年の通常ドラフトでは1巡目で東京ガス・山岡泰輔、4巡目で都城高・山本由伸と現在の主力投手を獲得しており、オリックスにとって大成功のドラフトだった。

楽天は4選手指名も一軍出場なし

中日は四国アイランドリーグ徳島の右腕・木下雄介を指名した。2018年に支配下登録されると一軍で14試合に登板。2020年にはプロ初セーブもマークしたが、今年7月の練習中に倒れ、8月3日に帰らぬ人となった。

楽天は4選手を指名した。1巡目の花巻東高の右腕・千葉耕太、2巡目の明星大の内野手・南要輔、3巡目の兵庫ブルーサンダーズの内野手・向谷拓巳、4巡目の履正社医療スポーツ専門学校の右腕・木村敏靖とも一軍出場を果たせないまま戦力外となった。

ヤクルトはBCリーグ石川の捕手・大村孟を指名。2018年に支配下登録され、プロ初安打を放つなど9試合に出場した。2019年には初本塁打もマーク。今季は一軍昇格していないが、パンチ力を期待されている。

ソフトバンク2巡目の長谷川宙輝はヤクルト移籍後にブレイク

ロッテは1巡目でBCリーグ石川の右腕・安江嘉純、2巡目で日本ウェルネススポーツ大の外野手・菅原祥太を指名したが、ともに一軍出場のないまま戦力外となった。

DeNAは早稲田大に在学しながらBCリーグ信濃でプレーしていた右腕・笠井崇正を指名。2018年に支配下登録されると10月に一軍デビューし、翌2019年には16試合に登板した。今季は開幕一軍入りしたが、1試合に登板しただけで二軍落ちしている。

ソフトバンクは1巡目で帝京第五高の内野手・大本将吾を指名したが、一軍出場できないまま戦力外となった。

2巡目では聖徳学園高の左腕・長谷川宙輝を指名。ソフトバンクでは一軍登板は果たせなかったが、2020年に移籍したヤクルトでは44試合に登板して1勝2敗7ホールドと活躍し、五十嵐亮太から背番号53を引き継いだ。

3巡目の八戸学院光星高・田城飛翔は育成契約のまま4年間プレーし、支配下登録を目指して退団。12球団合同トライアウトを受験した結果、オリックスと育成契約を結んだ。

4巡目の藤沢翔陵高・森山孔介は2年で戦力外、5巡目の京都国際高・清水陸哉は4年で戦力外、6巡目の崇徳高・松本龍憲は2年で戦力外となり、一軍のグラウンドに立つことはできなかった。

巨人・松原聖弥は5巡目指名から大出世

巨人は大量8人を指名した。1巡目のBCリーグ新潟の右腕・髙井俊は2020年オフに戦力外。2巡目の磐田東高・加藤脩平は2019年に支配下登録され、一軍で6試合に出場したが、2020年オフに戦力外となった。

3巡目は芦屋学園高の軟式野球部から進学した芦屋大在学中に兵庫ブルーサンダーズでプレーしていた山川和大を指名。2020年にイースタン・リーグ最多勝に輝き、支配下登録を目指している。

4巡目は関西学院大の準硬式野球部に所属していた右腕・坂本工宜。2019年に支配下登録され、一軍で2試合に登板したものの白星は挙げられず、オフに戦力外通告を受けた。

今では一軍のレギュラーをつかんだ松原聖弥は5巡目指名だった。仙台育英高校時代は3年夏に甲子園出場したもののベンチ入りできず、プロ野球選手を輩出したことのない首都大学リーグ2部の明星大に進学。身長173センチの左打者は、通常ドラフトも含めて計15人指名された中の一人に過ぎなかった。

2018年に二軍で頭角を現し、支配下登録。フレッシュオールスターにも出場してイースタン・リーグで打率.316、24盗塁をマークした。2020年に一軍デビューを果たすと、計86試合に出場。今季は育成出身選手としてセ・リーグ初の2桁本塁打を達成するなど欠かせない戦力として活躍している。

6巡目の九州産業大の捕手・高山竜太朗は一軍出場のないまま2020年オフに戦力外となった。

7巡目の青森山田高の右腕・堀岡隼人は2019年に支配下登録。8月に一軍デビューを果たし、2020年には一軍で12試合に登板、初ホールドも記録している。

8巡目の四国アイランドリーグ香川の松澤裕介は、2015年にも育成3位で巨人から指名されたが、メディカルチェックでケガが発覚したため入団辞退。翌2016年に改めて育成8位指名を受けて入団したが、2018年オフに戦力外となった。

ちなみに同年の通常ドラフトでは創価大・田中正義に5球団、外れ1位で桜美林大・佐々木千隼にも5球団が競合。巨人は外れ外れ1位で中京学院大・吉川尚輝を指名した。今ではその吉川と松原が1、2番を打っているのだから分からないものだ。

※成績は9月18日現在

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