上がりの重要性

神戸新聞杯という名前ながら、昨年に続き中京2200mでの開催。先週のローズSに続き同重賞の成績はあまり参考にならないのだが、昨年の神戸新聞杯は3冠馬コントレイルが普通に単勝1.1倍の1番人気に応え差し切って快勝している。

中京芝2200m上がり順位別成績,ⒸSPAIA
全芝上がり順位別成績,ⒸSPAIA


この昨年の神戸新聞杯を深堀りしてみよう。先行勢で上位に残ったのは4着だったディープボンド。道中3番手から粘った形だが、結局上位3頭が差し・追込で上がり上位3頭の決着となっている。ただこれは逃げたパンサラッサが2F目に10.9、3F目に11.5と飛ばしており、落ち着いたのが1コーナーを曲がってからというもので、先行勢には厳しいペースだったからといえよう。

中京芝2200m全体の傾向を見ても極端に差し、追込有利というわけではないが、ラスト3Fに速い上がりを繰り出せるかどうかは重要だ。昨年からの上がり順位別成績を見ても、上がり1位の勝率38.6%は全ての芝レース成績と比べて5.5ポイントも上昇しており、複勝率77.3%に至っては10.4ポイントも上昇している。中京の直線412.5mはまあまあ長く、昨年2着だったヴェルトライゼンデは4角で最後方タイの16番手から上がり35.4の1番時計を出してのものであった。

こうなるとダービーで最速上がり33.4を出して差し切っているシャフリヤールや、同3着で上がりも33.4と同じであったステラヴェローチェを軽視する理由は見つからない。あと1頭を誰にして勝負するか、といった感じだろう。とにかく上がりが速そうな馬を探したい。


中京芝2200m上り3F順位別成績,ⒸSPAIA

調整重視でダービー回避のキングストンボーイ、最速上がり連発のレッドジェネシス

候補としては2頭。まずはキングストンボーイだ。2月の共同通信杯で33.3の最速上がりを出したものの、距離が短かったことと位置が4角10番手の位置取りで4着までが精一杯であった。5月の青葉賞では位置を中団に上げてハナ差2着。展開に柔軟に対応できることも示しており、体調を考慮してダービーを回避したあと、秋に向けて順調との話を信じるのであれば外せない1頭だろう。

もう1頭、気になるのはレッドジェネシスだ。ダービーでは4角17番手、残り3Fで先頭と1.3秒差はあまりにも遠く、上がり33.7と優秀でありながら11着に敗れている。しかし、全8戦中5戦で上がりトップの実績は無視できるものではなく、今回と同条件の中京芝2200mで5月に行われた京都新聞杯を上がり最速で快勝している。無く子も黙るディープインパクト産駒で、こちらも当然上位だ。

10頭と頭数が少なく、馬券も絞り込まねばいけないところだが、他の馬たちの上がり実績があまりにも心許ない。現時点ではダービー上位2頭のシャフリヤールとステラヴェローチェの2頭軸で、キングストンボーイ、レッドジェネシスを絡めた「安いところ」を「絞り込んで」いくしかないと結論付けたい。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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