フェンシング見延和靖に並ぶ破格ボーナス

東京パラリンピックの車いすテニス男子シングルスで金メダルに輝いた37歳の国枝慎吾が9月9日、所属先のユニクロから特別報奨金として1億円を贈呈された。

1億円の破格ボーナスとなると、東京五輪・パラリンピックの報奨金ではフェンシング男子エペ団体で金メダルを獲得した34歳の見延和靖が所属先のネクサスから贈られたのに並ぶ高額。報奨金を巡っては「オリパラ格差」を指摘する声も依然としてあるが、是正の流れが進む大きな一歩とも期待されている。

2009年のプロ転向時からユニクロと所属契約を結ぶ国枝は「今回、特別報奨という形で最大限の評価をいただき、最初に聞いたときは震えてしまいました」と喜びのコメントを寄せた。

衣料品店ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は「不断の努力と圧倒的世界No.1である戦績、そして会う人誰をも魅了するその明るさと前向きさに、心から敬意を表したい」との声明を出した。

異例の高額報奨金は、苦境を乗り越えてつかんだ2大会ぶり3度目の制覇を「一般的なスポーツとパラスポーツの垣根を越える素晴らしさがあり、パラスポーツの地位向上、パラスポーツが純然たるスポーツビジネスとしても、十分に成立しうる可能性を示した革命的な出来事」と高く評価したもので、柳井氏が会社と分担して支払う。

五輪は金500万円、パラは金300万円

日本オリンピック委員会(JOC)は東京五輪のメダリストに贈る報奨金を金メダル500万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円と設定。今大会で日本は金27、銀14、銅17個と金、総数ともに史上最多となり、支給額も史上最高の計4億円を超えた。

一方、日本障がい者スポーツ協会は東京パラリンピックのメダリストに贈る報奨金として金300万円、銀は200万円、銅は100万円を支給。金メダルのみ「200万円」の格差が出た形だ。

それでも57年ぶりの自国開催となった今大会で、日本は金メダル13個を獲得し、ゼロだった2016年リオデジャネイロ大会から大きく飛躍。メダル総数でも史上最多だった2004年アテネ大会の52個に迫る歴代2位の51個と健闘した。

卓球の伊藤美誠は金銀銅で報奨金1000万円

日本卓球協会は9月12日、東京五輪の混合ダブルスで優勝したほか、女子団体で「銀」、同シングルスで「銅」の3つのメダルを獲得した伊藤美誠(スターツ)に報奨金1000万円を贈った。

東京パラの車いすラグビーで2大会連続の銅メダルを獲得した日本代表の池透暢主将(日興アセットマネジメント)は9月14日、所属企業の報告会で報奨金が授与されたが、金額は非公表。

日本トライアスロン連合は東京パラリンピックの男子で銀メダルを獲得した運動機能障害PTS4の宇田秀生(NTT東日本・NTT西日本)に200万円、銅メダルだった視覚障害の米岡聡(三井住友海上)とガイドを務めた椿浩平さんには合わせて100万円の報奨金を授与した。各競技で報奨金の対応はさまざまだ。

五輪「銀」の女子バスケは1人500万円

東京五輪の団体競技で活躍が顕著だったのは初の銀メダルを獲得した女子バスケットボール。日本バスケットボール協会は日本代表12選手に、1人500万円の報奨金を与えると発表した。

銀メダルでは1人300万円としている規定額に、今回は特別報奨金として200万円をボーナスで追加した形となった。

日本女子プロゴルフ協会は東京五輪で銀メダルを獲得した稲見萌寧に報奨金1000万円と、シード権5年を付与すると発表している。

米国は報奨金の格差撤廃、国別最高額はシンガポール

海外に目を転じると、米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)は東京大会から五輪とパラリンピックのメダリストに支給する報奨金の格差を撤廃し、平等化の流れを促進した。

オリパラ両大会の金メダリストには3万7500ドル(約413万円)、銀メダリストには2万2500ドル(約248万円)、銅メダリストには1万5000ドル(約165万円)が支払われている。

米NBC放送によると、共産国以外で公表されている各国別の報奨金の最高額はシンガポールで金メダルに75万ドル(約8250万円)と突出した額。2位はカザフスタンとマレーシアで金メダルに25万ドル(約2750万円)となっている。

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