9月2連戦はオマーンに敗北、岡田武史一喝の中国に辛勝

カタールW杯出場を目指す男子サッカー日本代表。アジア最終予選(以下、最終予選)2試合を戦い、勝ち点3の4位とやや出遅れている。

9月2日のオマーン戦はホームで0-1の敗北。同月8日の中国との一戦はFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)の一発で勝ちこそしたが、内容がやや寂しい。

中国はゴール前で守りを固め、かつて中国スーパーリーグ・杭州緑城を指揮した岡田武史氏が「やる気あるのか」と一喝するほど低調なパフォーマンスだった。その中国から1点しかとれなかったのは、あらためて南野拓実不在の大きさ、得点力不足を痛感させた。

また、オマーン戦はCBやボランチなどセンターラインを起点としたボール運び、大迫の個人技に頼った前線でのキープを徹底的に研究され、課題を残した。

巨大DFを擁するオーストラリア、実力派のイケメン監督率いるサウジアラビア

日本は10月7日にサウジアラビア(アウェイ)、12日にオーストラリア(ホーム)との対戦を控える。2ヵ国ともアジアの強豪であり、今回の最終予選で2連勝をおさめている。

日本にとっては、いずれもW杯本戦出場の2枠を争う負けられない相手だ。しかし一筋縄にはいかない。

フィジカルで分があるオーストラリアは今回、22歳のDFハリー・サウター(ストーク・シティ)を擁する。サウターは身長198センチで空中戦に強く、189センチの吉田麻也(サンプドリア)、188センチの冨安健洋(アーセナル)と10センチ近い身長差がある。セットプレイで警戒が必要だ。

日本が負けたオマーンに1-0で勝利したサウジアラビアを率いるのは、フランス人のエルヴェ・ルナール監督。ロシアW杯にモロッコ代表の監督として参加し、甘いマスクと白いシャツで「イケメン」と話題を呼んだ人物だ。

ルナール監督は監督としての実績にも優れ、過去にザンビア、コートジボワールを指揮した際、アフリカ・ネイションズ・カップを制している。日本の戦いぶりもインプット済みだろう。日本は7日にアウェイで戦うため、“中東の笛”も注意しなければならない。

10月2連戦、最悪の結果は2戦2分け?

10月の2連戦は、最終予選前半の山場だ。この2連戦ですべてが決まるわけではないが、最終予選の結果に大きく影響することは間違いない。

日本には不安要素が少なくない。中国戦で先発して活躍したMF久保建英(マジョルカ)は、9月22日のレアル・マドリード戦で負傷し、同2連戦への不出場が決定。FW古橋亨梧(セルティック)も中国戦で負傷し、参加が不透明だ。前述の大迫、そしてMF鎌田大地(フランクフルト)も本調子ではない。

この2連戦、考え方は色々ある。2連敗したなら世間の逆風は今まで以上に強くなるだろうが、監督更迭の人事などが進んでチームが一新されるきっかけになるかもしれない。2連勝なら「勝てば官軍」の論理で文句なしだ。

良くないのは2戦2分けのパターンだ。中途半端に勝ち点が削られ、森保一体制の良し悪しがはっきり評価されぬまま最終予選が続く。現在の流れが、変化も勝利もなく“ふわっ”と続くのは危うい。

一度勝ったメキシコに敗北……研究されると弱い森保体制

なぜ危ういのか。理由の一つは、森保体制にある。森保監督は相手の仕掛けに対するカウンターの戦術が打てない。そのため相手に研究され、攻め手を封じられると弱い傾向がある。オマーン戦も相手に戦い方を見抜かれ、ストロングポイントを消され続けた。

東京五輪で二度対戦したメキシコには、グループリーグでこそ2-1で勝利したが、3位決定戦では1-3で敗北して4位に甘んじた。最終予選も1度目の対戦より、戦い方を知られた2度目の対戦のほうが不安は大きい。

W杯最終予選は、五輪とは状況が違うにせよ、各国がW杯出場のために全力を尽くす。長期で合宿を張って備える国もある。しかし日本は海外組を大勢抱え、他国より短い期間でチームの完成度を上げなければいけない。

戦術の改善や変化、選手のパフォーマンス向上、新戦力の起用。日本はあらゆる手立てを考えないといけない緊迫した局面にある。「結局最後はW杯に出場できる」と悠長にかまえていたら、足元をすくわれかねないだろう。

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