パワーは岡本和真級の智弁学園・前川右京

今年は10月11日に行われるドラフト会議。高校生の候補選手には好投手が多く揃うが、高校生野手にもピカイチな選手は多い。今回は関西圏の打者を中心に注目選手を掘り下げてみた。

今夏の甲子園で準優勝し、22打数10安打(うち2本塁打)、打率.455をマークした前川右京(智弁学園)は、1年夏の甲子園で4番を打ち、早い段階からスポットライトを浴びていた。重度のプレッシャーもあり、今春のセンバツも含めて思うような数字を残せなかった時期もあったが、最後の夏にここまで底力を見せつけたのはさすがとしか言いようがない。

生真面目な性格から、結果を残せなかった時は以降の試合に悔しさを引きずることが多く、自分のスイングを貫けない時期もあったが「甲子園では気持ちをリセットして打席に立てたことが良かった」と振り返る。

高校通算本塁打は37本。パワーはOBの岡本和真(巨人)に引けを取らないと小坂将商監督が言うように、飛ばす力は今世代でトップクラスの左の強打者だ。

打てる捕手の市和歌山・松川虎生と京都国際・中川勇斗

前川と同じく1年生から4番を打っていた松川虎生(市和歌山)も評価は高い。1年の夏までは背番号5を背負い、三塁手としても身のこなしの良さを見せた。

1年秋以降は本職の捕手となり、中学時代からバッテリーを組む小園健太を巧みにリード。投手に安心感を与える間の取り方や、チームを陰から見守る“縁の下の力持ち”のような存在で、市和歌山では主将としてまさに精神的支柱だった。

何より大きな武器はバッティング。今春のセンバツでも見せたように、センターから右方向に鋭い打球を放つことができる。178cm、98kgの体格には無限のパワーが詰まっており、今夏の和歌山大会では2本塁打を放つなど高校通算43本塁打をマークした。

同じ捕手で今夏の甲子園で株を上げたのが中川勇斗(京都国際)だ。今夏の甲子園では2本塁打を放った打撃だけでなく、フレーミング術を生かしたリード、周囲を見渡せる視野の広さも売りだ。性格も強気で大舞台でも動じず、投手をグイグイ引っ張る。

小柄でもパワー十分の大阪桐蔭・池田陵真

2年生から注目されてきた池田陵真(大阪桐蔭)は、172cm、85kgと体格は小柄の部類に入るかもしれないが「体格以上にパワーの詰まった選手」と西谷浩一監督が絶賛するすべての強さを備える。

2年生時は主に1番打者を務め、3年生になると中軸に座り打線の中心に立った。今夏の大阪大会では7試合で26打数17安打、2本塁打と大暴れ。臆することなく最後まで力強くバットを押し込む打撃は目を見張るものがある。

今夏の甲子園でも2試合で7打数3安打。主将としてチームを束ねる吸引力もあり、人間性も高い。

「二刀流」目指す愛工大名電・田村俊介

1年生からエース番号を背負うなど投手として能力の高さを見せた田村俊介(愛工大名電)は打者としての能力の高さが目につく。今夏の甲子園では初戦の東北学院戦で本塁打を放ったがプロでは「投手、野手、両方で勝負したい」と意気込む。

同じく2年生から投打で注目されてきた坂口樂(岐阜第一)は、2年夏に岐阜県の独自大会で4本塁打を放ち注目を浴びた。投手としては最速143キロのストレートにナックルカーブなど緩急を自在に操るピッチングも見せる。憧れの大谷翔平(エンゼルス)のように、二刀流で世間を騒がせる存在となるのか注目だ。

高校通算本塁打70本を数える有薗直輝(千葉学芸)、同56本塁打の吉野創士(昌平)という高校球界をアーチで沸かせた長距離砲もいる。

今年のドラフト会議は世代交代を見据えて「未来の大砲」を獲得したい球団も多く、直前まで細やかなリサーチが行われている。果たしてどの打者がどのチームに指名されるのか、あと少しに迫ったドラフト会議の日を楽しみに待ちたい。

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