4季目で初の「劇場開催」、水谷隼も人気定着に一役

4季目を迎えた卓球のノジマTリーグは9月9日に男子、9月10日に女子がそれぞれ開幕し、関心を集めている。東京五輪で過去最多となるメダル4個を獲得した「卓球ニッポン」の盛り上がりを受け、今シーズンはエンタメと融合したショーアップをこれまで以上に図り、3年後の2024年パリ五輪へ選手強化を図る新たな戦略だ。

9月22日には埼玉・和光市民文化センターサンアゼリアで1試合があり、地元の彩たまと東京が対戦。会場は通常の体育館ではなく、コンサートやオペラ、歌舞伎などを上演する「劇場」と異彩を放った。

試合前にはバイオリンが演奏され、照明が当たるステージ上に卓球台を設置。試合の合間はダンスも取り入れ、観客を楽しませる工夫を随所に凝らした。

東京五輪の卓球混合ダブルス金メダリストの水谷隼(木下グループ)は五輪後、競技の一線を退くと明言しているが、Tリーグには東京の一員として出場。卓球の注目度をTリーグにつなげ、人気を定着させる狙いだ。

フェンシングもジャニーズ劇場で盛況

スポーツ界で「劇場」の先駆けはフェンシングだった。2008年北京、2012年ロンドン両五輪銀メダリストで日本協会会長を務めてきた太田雄貴氏が「スポーツとエンタメの融合」を掲げ、次々と大胆な改革に着手してきた。

2018年12月の全日本選手権決勝ではジャニーズの劇場、東京グローブ座(新宿区)で初めて開催し、異例の高額チケットも約700人の客席を完売させた実績がある。フェンシングの衣装をまとったダンサーが踊り、DJが軽快な音楽を奏で、色鮮やかな照明と大型スクリーンには試合中の選手や審判の心拍数まで表示された。

東京五輪を前に新たなファン開拓を図る試みとして、これまでのスポーツ大会とはひと味違う新時代の演出で会場を盛り上げた。こうした先進的な取り組みが男子エペの団体で史上初の金メダルという金字塔につながったともいえるだろう。

卓球は早田ひならパリ世代も急成長

東京五輪後、卓球界には早くも明るい話題が提供されている。9月下旬の国際大会ワールドテーブルテニス(WTT)のツアー、スターコンテンダー(ドーハ)で、女子シングルスの早田ひな(日本生命)が優勝。次世代のホープ、戸上隼輔(明大)と組んだ混合ダブルスと合わせて2冠を達成した。

167cmと女子選手では長身のサウスポー早田はリーチも長く、パワフルで守備にも定評がある。卓球の世界選手権個人戦(11月、米ヒューストン)代表選考会でも1位通過で自身初となるシングルス代表を決めており、パリ五輪へ飛躍が期待される大器だ。

今夏の東京五輪はリザーブとして代表チームに帯同。練習相手や雑用も務め、試合はスタンドで見守って貴重な経験を積んだ。日本女子のエースで東京五輪3種目メダリストの伊藤美誠(スターツ)とのペアで世界選手権銀メダルも獲得しているダブルスの名手でもある。

男子もベテラン水谷の背中を追い、男子団体で五輪銅メダルを獲得した張本智和(木下グループ)や丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)だけでなく、パリ世代が頭角を現している。

東京五輪のリザーブメンバーに入った宇田幸矢(明大)は2020年の全日本選手権優勝で脚光を浴びた逸材。中学2年生の松島輝空(神奈川・星槎)も将来を嘱望される1人だ。Tリーグの盛況が選手強化にもつながる時代が到来しつつある。

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