ソダシvsユーバーレーベン、5回目の激突

今週は阪神芝2000mを舞台に、牝馬三冠最終戦・GⅠ秋華賞が行われる。京都競馬場改修に伴う阪神での変則開催となった舞台に精鋭が集結。サトノレイナスが離脱したものの、ローズSで重賞初制覇を飾った超良血・アンドヴァナラウト、紫苑Sを勝ったファインルージュ、三冠配合アカイトリノムスメが脇を固めるメンバー構成となった。だが、注目はやはりアイドルホース・ソダシとオークス以来の実戦となるユーバーレーベンの対決だ。

札幌2歳Sからしのぎを削ってきた両馬が5回目の激突。オークスでソダシに初めて土をつけたユーバーレーベンが連勝なるか、それともソダシが世代最強を改めて証明するか。今週は「桜花賞馬vsオークス馬」の構図となった秋華賞を振り返り、馬券での狙い方を考えていく。

実績ある桜花賞馬は崩れない

25回の歴史がある秋華賞で、桜花賞馬とオークス馬が激突したのは9回。このうち、ワンツーだったのは97年のメジロドーベル、キョウエイマーチの1回しかない。

ともに馬券圏内に入ったケースも01年のテイエムオーシャン、レディパステルを加えるのみで、直近の対決例である15年はミッキークイーンが牝馬二冠を達成した一方、桜花賞馬レッツゴードンキは17着に大敗している。

<オークス馬と対決した桜花賞馬の秋華賞成績>
全体成績【3-1-0-5】勝率33.3%/連対率44.4%/複勝率44.4%
前走3着以内【3-1-0-1】勝率60.0%/連対率80.0%/複勝率80.0%
秋華賞前に4勝以上【3-1-0-0】勝率75.0%/連対率100.0%/複勝率100.0%

まずは桜花賞馬、ソダシについて確認する。

秋華賞に出走した9頭全てが3番人気以内に支持されてはいるものの、1番人気だったのはテイエムオーシャンのみ。距離不安がオッズに反映されているのが特徴的。2000mを克服した馬、できなかった馬で連対か大敗かと明暗が(おおむね)くっきり分かれている。

好走するためのひとつの条件は前走馬券圏内であること。該当馬は5頭となり、08年のレジネッタ(8着)を除いた4頭が連対している。前走札幌記念を快勝したソダシはこの条件をクリアしている。

さらに心強いのは、秋華賞時点で4勝以上していた馬が好走してきた歴史。97年キョウエイマーチ(6勝・2着)、98年ファレノプシス(5勝・1着)、01年テイエムオーシャン(5勝・1着)、07年ダイワスカーレット(4勝・1着)と全頭が連対している。ソダシは重賞5勝と新馬戦を合わせて6勝。大崩れはないだろう。

秋華賞 桜花賞馬対オークス馬直接対決成績,ⒸSPAIA

勝利実績が鍵

桜花賞馬と対決したオークス馬の成績,ⒸSPAIA


<桜花賞馬と対決したオークス馬の秋華賞成績>
全体成績【3-0-1-5】勝率33.3%/連対率33.3%/複勝率44.4%
前走オークス【1-0-0-1】勝率50.0%/連対率50.0%/複勝率50.0%
秋華賞前に3勝以下【1-0-0-4】勝率20.0%/連対率20.0%/複勝率20.0%

両者好走がまれで、桜花賞馬ソダシの好走が堅い以上、オークス馬ユーバーレーベンが好走する目は薄くなっているように思えるが、こちらについても過去のデータを紐解いていく。

全体成績の複勝率は桜花賞馬と同じで、好走と掲示板外の二極化も同様に特徴的(10着だった馬が4頭、エリモエクセル7着)。また好走した4頭は3番人気以内で、この座を守れないようだとユーバーレーベンは苦しい。

桜花賞馬と同様の傾向は他にもあり、勝利実績が大きなファクターとなる。好走した馬は既に6勝していたメジロドーベル、一度も馬券圏内を外していなかったレディパステル、4戦4勝だったカワカミプリンセス、全レースで連対していたミッキークイーンと堅実派が並ぶ。

一方、秋華賞前に3勝以下だった馬は5頭おり、このうち好走したのは15年ミッキークイーンのみ。同馬は前述のとおり6戦3勝2着3回をいずれも違うコースで積み上げており、2勝のユーバーレーベンとはタイプが違う。

オークス馬と対決した桜花賞馬の成績,ⒸSPAIA


エイシンヒテン、もう一丁!

桜花賞馬vsオークス馬の秋華賞 他馬成績,ⒸSPAIA


<桜花賞馬vsオークス馬の秋華賞 他馬成績>
全体成績【3-8-8-126】勝率2.1%/連対率7.6%/複勝率13.1%
前走中山【0-0-2-39】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率4.9%
前走3着以内【2-5-6-51】勝率3.1%/連対率10.9%/複勝率20.3%
うち、前走JRA/海外重賞【1-5-5-18】勝率3.4%/連対率20.7%/複勝率37.9%

もちろんレースは2頭立てではないので、最後の一冠を狙う他の馬たちのデータもチェックする。

まず目につくのは前走中山組が厳しい点。近年の秋華賞では紫苑S組の躍進が目立っており、鵜吞みにできない部分はあるかもしれないが、そもそも秋華賞は国枝栄調教師という例外を除いて美浦所属の馬がかなり厳しいレース。バッサリ消していいだろう。

結果を残しているのは前走3着以内の馬。該当9レースで全て馬券圏内に入っており、4着以下の【1-3-2-75】と比較すると安定感が違う。

この「前走3着以内」のうち、15年を除く8レースで馬券になっていたのが前走重賞(海外重賞含む)組。複勝率は4割近くまで達し、複勝回収率は100%を超えて妙味もある。さらに父サンデーサイレンス系に限ると【0-5-1-5】で、該当するのはアカイトリノムスメ(前走オークス2着)とエイシンヒテン(前走ローズS2着)。連対率が非常に高いため、ソダシと馬連2点で計算が立つ。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開。秋GⅠシーズンに合わせ、新入部員募集中。

《関連記事》
・【秋華賞】やっぱりソダシは揺るがない! 今年も馬券妙味は非トライアル組にあり!
・【府中牝馬S】実績馬に漂うキケンな香り サラキアに続く穴候補はミスニューヨーク!
・「関東馬の復権」「G1のルメール・川田・福永理論」 2021年上半期のG1をデータで振り返る