7人がFA宣言も熊代聖人、増田達至、松永昂大、小川泰弘は残留

シーズン終盤の失速で優勝争いから脱落した巨人。開幕前はペナントレースの大本命で、今年こそ日本シリーズでソフトバンクに雪辱できるかどうかが最大の焦点だったことがはるか昔のことのように感じられる。

それもそのはず、昨オフはDeNAからFA宣言した梶谷隆幸と井納翔一のダブル獲りに成功。メジャー通算951安打、196本塁打のジャスティン・スモークとメジャー通算96本塁打のエリック・テームズも獲得し、ドラフトでは即戦力右腕の触れ込みだった亜細亜大の平内龍太を獲得していたからだ。

そのうち誰か一人でも額面通りの活躍をしていれば結果は違ったかも知れないが、何を言っても結果論。今季の補強は失敗だったと言わざるを得ないだろう。

2020年オフは7人がFA宣言した。国内FA権を行使した西武・熊代聖人と増田達至、ロッテ・松永昂大、ヤクルト・小川泰弘はチームに残留。梶谷と井納は巨人に移籍し、海外FA権を行使したロッテ・澤村拓一はレッドソックスに移籍した。2020年のFA戦線と移籍先での結果を振り返る。

2020年にFA移籍した選手の移籍先での成績

ケガに泣いた梶谷隆幸

梶谷は開星高から2006年高校生ドラフト3位で横浜入りし、2014年に142試合に出場して39盗塁でタイトル獲得。2017年には自己最多の21本塁打をマークするなど俊足強打の外野手として活躍した。

2020年にはリーグ2位の打率.323、19本塁打、53打点、14盗塁の好成績を残し、オフにFA宣言。巨人と推定4年総額8億円で契約した。

今季は1番ライトで開幕スタメンをつかみ、開幕当初は不振だったものの4月下旬から調子を上げた。5月は月間打率.356をマークしたが、同23日の中日戦の守備で左足を痛めて登録抹消。6月22日に戦列復帰したものの、今度は7月10日の阪神戦で右手に死球を受けて骨折したため再び抹消された。

その後、復帰を目指していたものの腰痛のため今季中の復帰を断念。今月中にも腰のヘルニアの手術を受けて来季に備えると報じられている。巨人1年目は61試合出場で打率.282、4本塁打、23打点、11盗塁。2022年は今年の分も取り戻す活躍が期待される。

二軍暮らしが続いた井納翔一

井納は木更津総合高、上武大を経てNTT東日本から2012年ドラフト3位でDeNAに入団。2014年に11勝を挙げるなど2020年までに通算50勝をマークしていた。

昨オフにFA宣言すると、人的補償が不要なCランクだったこともあり、巨人とヤクルトが獲得に名乗りを上げた。結果的には梶谷とともに推定2年総額2億円で巨人入り。引退した岩隈久志がつけていた背番号21を受け継いだ。

今季は3月31日の中日戦に先発したが1.0回4失点でノックアウトされ、翌日に二軍落ち。その後5月に中継ぎで4試合に登板したが、シーズンの大半を二軍で過ごした。一軍では0勝1敗、防御率14.50、イースタン・リーグでは24試合に登板して6勝7敗2セーブ、防御率4.07の成績を残している。

井納はすでに35歳。2年契約ということを考えても来季は勝負のシーズンとなりそうだ。

メジャーで5勝挙げた澤村拓一

逆に巨人からロッテを経てメジャーに羽ばたいたのが澤村だ。中央大から2010年ドラフト1位で巨人入りし、1年目に11勝を挙げて新人王。2016年には6勝4敗37セーブで最多セーブに輝いた。

2020年9月に香月一也との交換トレードでロッテに移籍。短期間ながら22試合に登板して13ホールドを挙げる活躍を見せた。オフに海外FA権を行使したもののメジャーとの交渉はなかなかまとまらなかったが、今年2月16日にようやくレッドソックスと推定2年総額300万ドルで契約を結んだ。

今季は55試合に登板して5勝1敗、防御率3.06。1年目としては上々の成績でチームのポストシーズン進出に貢献した。

今年もシーズンオフに入るとFA戦線は活発になるだろう。移籍するにせよ、残留するにせよ、重要なのは期待に応える活躍をしてチームに貢献することだ。高条件はもちろんFAの魅力のひとつではあるが、憧れや心意気だけではなく冷静な判断が求められる。

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